NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の影響だろうか?
あるテレビドラマが見たくなった。私が小学校高学年か中学生の頃、家族そろって毎週楽しみにしていた。それは、日本の板画家(棟方氏は、板への強い思いから版画ではなく板画と称していたそうだ)棟方志功ご夫婦の日常を描いたものだった。棟方志功役には渥美清さん、その奥様は十朱幸代さんだった。
内容はあまり覚えていないものの、とにかく渥美清さんが平机に向かい、版木に鼻が付くくらい顔を近づけ、制作する姿が印象的だった。黒縁の牛乳瓶の底のような厚い眼鏡で、一心不乱に作業する姿だ。そこには十朱幸代さんのチャーミングな笑顔があった。ちょっと舌足らずな感じのおしゃべりも魅力的だった。そして、私は主題歌の一部を今でもドレミで歌える。
それを一家揃って見ていたあの昭和も懐かしい。自分の部屋なんて持っていないから、茶の間で1台のテレビに皆が向き合う。父が
「渥美清は顔は悪いが(何とも失礼な物言いだ)演技はうまいなあ」
といつも言っていた。
棟方志功氏・やなせたかし氏、いずれも良き伴侶を得て、その才能が大きく開花した。「内助の功」が善しとされていた昭和の時代だ。実は「内助の功」は夫を支える妻のことだけを表す言葉ではないらしい。ある人の成功を陰で支えることやその功績を意味する慣用句だそう。
今の時代は「夫唱婦随」は受け入れられそうにない。それが悪いことではないが、「婦唱夫随」も認めなければ。それにしても夫婦や親子に限らず、他人を応援する人ってそれもそれですごいことと思う。私だったら保険がかかった人を伴侶として選んじゃいそう。
20年ほど前のこと。お子さんが見事大学合格を果たしたママ友さんが言った。
「ちょっとbeachan、聞いてよ。子どもが『体育会の応援部に入る』って言うのよ。私はカーッとして言ってやったわよ。『人の応援をするために高い学費払って大学に行かせるわけじゃない』ってね」
「でもね、何の見返りもなしに素直に人の応援ができるって、すごいじゃない!」
そんな風に私は応えた気がする。
そして、子どもや若者、全ての人が夢や希望を持てる世の中であってほしい。諦めない心を伝える人が周りにいる世の中であることも大切だ。世界、国内の辛いニュースを見聞きするたびに強く願う。
さて、無性にあの時のテレビドラマが見たい。ネットで調べたら『おかしな夫婦』ってタイトルだったらしい。フジテレビだったようだ。どんなにジージーと雑音が入ってもいい。画面に雨が降っていてもいいから、あのドラマが見たい。
『棟方志功』で検索したら、展覧会をやっていると知り、行ってみた![]()
力強さの中に緻密な彫り、柔らかい色使いや繊細さがある。どこか楽しくなる感じもある。
メッセージ性も強く、見ていて飽きない。
芸術に疎い私だけど![]()
