先日実家を訪れた際、母が言った。
「退院して3カ月だから、そろそろ家政婦さんやめようか?」
「えっ?はいっ?今何と?」
家政婦さん……90歳母の言葉としてお許しください。ヘルパーさんのことだ。
お風呂も自分で入れると言い始めた。介助はいらないと。これから更に暑くもなるし、シャワーだけでもいいしね、と。
「でもね、お風呂って結構危険で、何が起こるかわからないし、おつかいも含めた週に3回のヘルパーさんの訪問は、とても大事なのよ。おかあちゃんが1人で何でもできるようになったことはとても嬉しいけれど、私は土日しか来られないでしょ?ヘルパーさんは、普段おかあちゃんが元気にやってますよっていう確認もしてくれているわけ」
母は黙ってしまった。ここは母の言うとおりにすることはできない。ただ、入院中にはどうなってしまうのかと心配したが、退院してから、みるみる元気になっていく様子が分かる。
病院というところは、誰もが行きたくない場所だ。ましてや入院なんて。あの、薬とかアルコールとかの独特な臭いや、待合室に集まるうなだれたたくさんの人、お会計に並ぶ列。エネルギーを吸い取られる気がする。だからそんな中でお仕事をしているお医者さん、看護師さん、すごいと思う。毎日毎日、病人と向き合うのだから。
母は退院できて、解放されて、以前より元気になったように感じる。
「おかあちゃん、すごいね」
と言えば
「そうだよ。自分のことは自分でしなくちゃ」
と返ってくる。
先日、付き添いとして、妹が、母が以前から通う内科に行ってくれた。年に1度の健康診断の案内も届いていた。ここ数年、あまり乗り気でない。
「1月に入院もして、その際に検査もしたので今年はやめてもいいんじゃない?」
と私は提案していた。
ところが、母はやる気満々だったらしい。私に言うことと、クリニックで先生の前で言うことと違うじゃないの。付き添いが妹だから?問診票にも既に記入してあったらしい。
しかも
「今の生活に満足しているか?」
という質問は
1.満足
2.まあまあ満足
3.普通
4.あまり満足していない
5.不満
の5択だったんだけど、2に、丸を付けていたって妹から聞いて、なんだか笑ちゃったよ。
90歳なりに、まあまあ満足しているんだということを知り、私は心が弾んだ。そしてなんだか笑っちゃった。