この度めでたく母が退院した。90という高齢の母が3カ月も入院生活だったので、心配した。現在は妹が帰国中で、実家で寝泊まりしてくれているから私としても安心だ。

 

 介護用品をレンタルしたり、購入したり、ケアマネさんに予定を組んでもらったりしている。庭の木を切ったり、買い物、調理、掃除と妹は私よりずっと丁寧で、フットワークがいいので、逆に疲れをためてしまうのではないかと私は気がかりだ。

 

 私も先日、付き添いをしたが、バス通りの母のシルバーカーでの歩行が結構危なっかしい。車は大きくよけてくれたり、停まってくれたりする。中には舌打ちしている人もいるのではないかと、ハラハラひやひやする。

「白線の内側だよ」

と言ってもなかなかそうはすぐにうまく動けない。

 

 すると母が

「この前はお兄さんが遮断機を持ち上げてくれた」

と言うではないの!(入院前のこと)「カンカン」と鳴り始めてから踏切に入ってはいないだろうから、おそらく歩行のゆっくりな母が渡り切れない、とか、シルバーカーの車輪が線路にとられてスムーズに歩けなかった、などとは思うが。考えるだけで震える。

 

 洗濯物は室内干しを提案するものの、太陽の大好きな母は、外に干したがる。妹がいる間はいいが、庭に出るのだって、石段の上り下りがあるから危険だ。

 

 今まで知らなかったこと、見えなかったこと、見てこなかったことがたくさんだ。

 

 私たちが

「こうしたらよいのではないか」

「これは危ないから絶対やらないでね」

と忠告するもやんわりと却下される。母は長年やってきたやり方で、自分独自のやり方で進めようとしている。

 

「踏切は絶対に渡らないでね。線路の向こうに行かなければならない用事は私たちがやるから」

と伝えて、その時は

「そうだねぇ」

と納得している様子だが、怪しいもんだ。気丈夫な母のことだ。こちらはストレスになりそう。

 

 できるのであれば、それでいいのかな?任せていいのかな?まだまだ試行錯誤段階だ。これから様々な約束事を決めて、カレンダーの裏にでも大きく書いて壁に貼らなくちゃ。

 

母が自分を祝って赤飯を炊き、私たちが食べるてへぺろ