友人のお誕生日に、お手紙を送った。手紙が好きな私は、結構郵便局の良いお得意さんだと思っている。

 

 それは、チケットホルダーと呼ばれるものだったので、比較的目立つものだった。封筒の役目を果たしていて、あとから部分的にカット線に沿って切ると、ホルダーとして使える仕組みになっていた。(あ、もちろん透明の外袋もついていますよ)クリアーファイルの小型版のような感じ。動物やお花がカラフルに描かれていて、かわいらしくて、

「あ、ちぃちゃんのお誕生日が近いし、これを送ろう」

と購入したのだった。

 

  その後、しばらくして

「beachan、ランチでもどお?」

と彼女からラインがあり、約束をした。その時、私からの郵便が届いていないことがわかった。そうだよ、そうだよ、ありがとうを言わないちぃちゃんじゃない。

 

 私はすぐに地域の本局に電話をかけた。

「すぐにお調べしますね」

というお返事だったのに、10日経っても音沙汰無し。私はあきらめかけていた。そんなに宛先不明の郵便物ってたくさんあるものなの?なんたって、パステルカラーのピンク色ベースにポップな絵柄の付いた物だから、わかりやすいと思うんだけれど。お互い同じ地域だ。そんなに時間がかかる作業なの?

 

 2週間後、やっと電話があり

「見つからない」

とのこと。もちろん、すっごく丁寧なお詫びの言葉を何度も繰り返されたけれど。

 

 私は、買ったお店の近くを通るたびに思い出し、覗いてみたりしたが、それはなかった。もう一度買ってもいいと思うくらいちぃちゃんの雰囲気に合ったチケットホルダーだった。かわいかったから人気の商品だったのか?1度は、スタッフさんに、

「これこれこういう商品なんですが、今後入荷しないのでしょうか」

とまでお聞きしちゃった。

 

 すっかり忘れた頃、半年は経っていたある日、郵便配達員さんがやってきた。インターフォンが鳴ったので出てみると、あの郵便を手にしているではないの!

 

 「間違って違うお宅にお届けしてしまいました。ただ、その方が封を開けずにそのままにしていたようで、連絡をもらい、遅くなりましたが見つかりましたのでお届けします」

 

 私は嬉しさのあまり

「ありがとうございました」

と言ってそのまま受け取った。が、冷静になって考えてみる。誰がこの話、信じようか?半年ですよ!郵便局さん、しっかり頼みますよ。

 

 私は、そこのお宅に認知症の方がいらして、届いた郵便物をどこかに隠してしまい、半年経ってご家族が気づいて郵便局に知らせたんだ、と思うことにした。

 

 それならば、仕方ない。