子どもらが小さい頃から、我が家で欠かさずやってきた豆まき。これだけは豪快に行う。部屋に散らばった豆を踏んでしまい、香ばしい香りが漂う。後かたづけは大変だけれど、そこはぐっと我慢する。
昨今、袋ごと撒くとか、豆置きにする、というご家庭もあるようだが。近所に住む孫がやってきて、思い切り鬼役のパパ(私にとっての息子)か、おじいちゃん(夫)に投げつける。元気のいい声が響き渡る。
孫A君が幼稚園の年少さんの時のことだ。豆まき行事の前日
「明日は鬼さんがやってくるので、みんなで豆を投げてやっつけましょう」
と先生が言ったらしい。するとその夜、A君はママに
「明日は幼稚園に鬼がやってくるから、僕は絶対行かないからね」
と言い張っていたらしい。まあ、それでも4歳児のこと、朝になったらすっかり忘れているだろうと、ママも気に留めなかった。
翌朝、幼稚園の正門前で、泣きじゃくる孫A君。ママが抱っこして園内に入ろうとしたが、暴れまわって手が付けられない。この時、ママは妊娠中。ということで他のママさんたちが担任の先生を呼びに行ってくれて、無理やり連れて行かれた。
その日のその後のA君がどうなったかは聞いていないが、そこまでの話で、なんともかわいらしくて、私は笑った。決してばあちゃんバカではなく、よそのお子さんの話だったとしても、それはとてもかわいい。感心しちゃう。
「先生のお話をしっかり聞いてきたね」
そして、その純粋な心、こんな私にもあったのかなぁ?なんて想像したりして。
さて、
「なんでだろ~♪なんでだろ~♬」
って昔流行ったけれど、どうしてなのか、きれいに掃除機で吸い取ったはずのあれらの豆‥‥‥。私は、ソファーやテーブルレベルの家具は移動させて、砕けた豆を丁寧に吸い取っている。それが、なぜか毎年のように、夏ごろ、一粒どこかから現れる。
きれいに掃除してないからこういうことになるとはわかっているんだけど、8月にあの豆を見つけると豆が愛おしくなる。
ねえねえ、半年間もどこに隠れていたの?どうして今になって出てきたの?どうやって出てきたの?