昨日、役所へ出向いた。母のマイナンバーカードについて、知りたいことがあった。本人に聞いても
「忘れちゃったよ。その時は、係の人に聞いて言われるとおりにやっただけだから」
だよね~。
国がマイナンバーカードの取り組みを始めてすぐの頃、母は友人が作ったという話を聞いて、さっさと自分で申請をした。
「80歳超えてよくぞ1人でやったなあ」
と感心する。残念なことに90歳の現在はできないことが増えてしまった。
母は今までガラケーもスマホも持ったことはない。ましてやパソコンなんて、何をするものかもわかっていないことだろう。キャッシュオンリーで、ポイントなんて知らない。そうそう、銀行もすべて窓口へ行くから、ATMの操作もしたことがない。
当時、父には
「そんなもの作っても年寄りの自分たちにとっては混乱するばかりだよ」
と言われたらしい。父はマイナンバーカードを持たぬまま亡くなった。
父の言うとおりだった。現在、それによって発生した混乱を治めるのはすっかり私の仕事になってしまった。
保険証が今後届かなくなると聞き、資格証として猶予はあるものの、せっかく作ったマイナンバーカード、これを機に見直すことにした。
電子証明書の期限は何年も前に切れている。実は私自身がまだ作っていので、「電子証明書」とはなんぞや?なのだ。「署名用電子証明書 暗証番号」を設定しなければならないようだが、母がそれをしたかどうかも分からない。そして、保険証とは紐付けたのだろうか?
登録をして上手く事が運べば、便利かもしれないが、高齢者(母)は、変化を嫌う。変化の対応が難しい。
いつか、全員マイナンバーカードで医療機関の受付をしてください、となったら、おそらく
「beachan、今までとおんなじにできないの?今までと同じでいいのに」
と何回も言われそうだ。それまでに母に納得させ、動作、作業には慣れさせなければならない。
コロナ禍では、どこの入り口にも熱を測る器械が置いてあり、母は、そこの枠に顔を合わせることができなかった。病院では看護師さんに
「○○さん、いいですよ~」
と言われ、いつもスルーだった。と言うことは、今後は4桁の暗証番号を付き添う私が覚えていなければならない。私だって高齢者だもの、大丈夫かしら?
ほんとに便利と言いながら、高齢者に優しくないマイナンバーカードだ。施設に入所されている方々だって、どのように管理されているのだろう?
その便利さは想像ができる。デジタルの方向性は間違っていないだろうが、長いスパンで考えていただきたかった。20年、30年、ひと世代分の期間がほしい。コンビニで住民票などの書類の取り寄せをする必要もない母、引っ越しの予定もない母、せっかく作成したマイナンバーカードが役に立つ日はくるのか?
「ああ、作っておいてよかったわぁ。便利だわぁ」
と母の口から聞ける日はくるのか?母は90だ。
さて、予想したことだが、母自身のカードについては個人情報として娘の私でさえも一切教えてもらうことはできなかった。ただ、それ以外で教えていただいたことで、混乱を解くべき方向性が見えてきた。
帰り際、職員さんに
「少しでも不安を取り除くことができて良かったです」
と言われた。私は丁寧にお辞儀をしながら、
「いろいろと教えていただいてありがとうございました。不安は軽減されましたが、不満はそのままです」
と笑顔でそこをあとにした。
そこのスタッフさんにそんなこと言っても何にもならないし、「ハラスメント」と思われちゃうかもしれないけれど、私は言っておきたかったんだもの。