そりゃあ私にも友人はいます。長い付き合いにもなります。幼いころも、学生時代だって、母になってからだって。
子どもらが幼稚園、小学校にあがると、当時必ずやってきたのが、「PTA委員」だ。今はPTAがない学校もあるらしいから、時代の流れだろう。
その頃、委員決めは困難を極めた。もちろん今でも同じだとは思うが、最近はお仕事をしているママさん達も多く、くじ引きなどでさっぱりと決めることも多いようだ。私たちの頃は、「雰囲気が悪くなる」などと、あくまでも話し合いによって決定しようとしていた。なんだか、茶菓を用意したりコーヒーを淹れてポットで運ぶママたちもいらっしゃって、私は頭が下がった。
一方、面倒仕事の嫌いな私としては
「コーヒー1杯でその場が和むとは思えないなあ」
と自分流の考えを心の中だけで展開していた。
さて、その中で、最終的に決まらず残った1つの委員だが、ある方が候補に挙がった。(Aさんとします)Aさんはまだ1度も委員をやったことがない、ということで。が、Aさんはなかなか決心がつかないようだった。すると彼女と仲のいい女性(Bさんとします)が
「私が弟の方(下の学年の別クラス)でその委員を引き受けようと思っているので、そうしたら、彼女と助け合えるし‥‥‥。一緒にやりましょう」
と提案というか、Aさんを促した。
「それならば心強いわ」
とAさんは引き受けてくださった。
ところが話はこれでうまくはいかなかった。弟君のクラスで引き受けるつもりだったBさん、既にどなたかの根回しで全委員が決まっていたので、それを覆すことはできなかったらしい。つまり、Bさんが委員にならなかったので、Aさんも
「それではやっぱりできないわ」
となり、振出しに戻ってしまったのだ。
ちょっと待ってよ。子どもじゃないんだからさあ。お友だちと一緒じゃなければ委員できませんって、そんなことありですか?私はむしろこういうことは一匹狼がいい。例えば、委員会で発言などをしようと思った時、
「こんな発言をしたら、友人は何を思うだろう?」
などの気遣いはいらない。
たまたまその委員会に、お友だちがいらしたっていうのならば、それはそれで良い。そこでもし、意見が合わなくても仲違いは私の中にはない。
「一緒に委員やろうね」
ありきが私は苦手。
学生時代、休み時間にトイレに行くとき必ず誰かを誘う女子がいたことを思い出した。トイレも1人じゃ行かれない?生理現象なんだから行きたいときに行きたい人が行けばいいでしょ。逆に男子に聞かれたくない話をする場所として「トイレ」に集まるってのはあったけど。思い切りゲラゲラ笑って、そりゃあそりゃあ楽しかったよ。高校時代にはピンクレディーの振り付けまでトイレでやったよ。
長女が高校生の時、休み時間に1人でトイレに行ったら、
「さっちゃん、友達いないの?」
って言われたらしい。
「えっ?どうして?」
「だって、いつもトイレに1人で来ているから」
その話に親子で笑った。トイレって必ず友だちと行かなければならぬ所?
私は娘に
「あなたは確かに私の血を継いでいます」
と言いました。
娘の名誉のために言いますが、彼女は友人が多い方だと思います。ちなみに付け加えますと、私より夫に似て、情に厚いタイプです。