何といってもセクハラはひどかった。それは今も変わらないのかもしれないが、それに対して私たちはもちろん何もできず、どうしたらいいのかも分からず、上司も会社も何もしてくれなかった。
私が40年以上も前に勤めていた会社は接待として年に2回ほど、お客様ご招待のパーティを開いていた。その日は、私たち女子社員も制服ではなくて、私服で参加する。黒い蝶ネクタイのボーイさんがお給仕をしてくれるので、私たちがお酒片手にご挨拶を強要されるなんてことはなかったけれど‥‥‥。
私でさえありました。中高年男性に思いっきりお尻を触られ、
「君はどこの課に所属しているの?」
などなど、今ではセクハラです。当時「頭ポンポン」もあったけれど、それをセクハラとは思わなかった。さすがに腰に手を回されたり、お尻を触られたりしたときは不快だったけれど、その頃は我慢するしかなかった。会社にとってはお客様だ。だから相手も図に乗ってやりたい放題だ。今より絶対ブラックだ。
少し話しやすい上司にやんわり伝えても
「ああ、あの人、そういうことしそうだよ」
とか
「見た目によらず、Hだなあ」(Hって今の人、分かりますか?)
で終わってしまい、それからは女子同僚だけで、うっぷんを晴らすだけになった。
現在はきちんと、された側は、声を上げている。すべての方が、とは言えないだろうが。
一方、最近はなんでも「ハラハラ」で、分からないことも多い。「パタハラ」なんて、何のことかさっぱりわからなかった。
ちょっと以前の「セクハラ」「パワハラ」がせいぜいの私。
「セ・パ、どっち?」
って野球みたいに言っていた頃が懐かしい。
それにしても「ハラスメント」って、とっても難しい問題。「相手が不快だと思うことはすべてハラスメント」ということなら、人と関わる上ですべてがハラスメントになる可能性かあるってことだ。……なんてつぶやいたら、あの議員さんのようにハラスメントを肯定しているみたいになるし。
だってね、「頭ポンポン」なんて、
「あのジジイ様にはされたくないけど、俳優の○○さんならされたい」
とか思っちゃう私。これは、アウトかな?
「相手による」
って言っちゃあ、それまでだわ。