最近、オフィスでの電話に対応することができない若者が多いらしい。そうです、小さい頃から携帯電話、スマホしか使ったことがないのだから。スマホは、かければ、お目当ての相手に直接つながるわけです。
その昔の電話、かけるときには、まず名乗る。そして
「○○さん、いらっしゃいますか」
から始まる。かかってきたときもそれなりにお作法はある。
我が夫、独身の頃、我が家に電話をかけてきていつも
「Beachanさん、いらっしゃいますか?」
で始まるので、父が
「まず自分が誰だか名乗らないといけない」
と私に言っていた。もちろん
「どちらさまですか?」
に始まるそのやりとりは毎回繰り返されたようだが。父も分かっていて、わざと聞いていたと思われる。あなおそろしや。
私は彼に伝えるが、一向に改善が見られず、ある日
「父の評価が低くなるから、そこは自分の名をまず名乗って」
と言ったほど。
さておき、昔、この家電話に関するなぞなぞを手に入れた。あの電話は数字盤が丸い。
「数字盤の一番高いところにある数字(時計で言えば、12の位置)の穴に指を入れて、ストッパーまでしっかりと回したときに一番高い位置に来る数字は何でしょう?」
最初に、みなさん、一番高いところにある数字で悩む。
「2?それとも3?かな」
こんなところでつまずいているようではダメダメ。そして大体の方が最後に5とか6とかなどとお答えになる。
まず、時計の12にあたる(一番高い位置)ところの数字は3です。そして、そこに指を入れて回しても文字盤が回るわけではないので正解は3です。これを友人に出したら結構多くの方が、撃沈。
でもこのなぞなぞがわかる人はある年齢以上の方。この面白さがわかる人は少ないと思うと残念だ。私はあのダイヤル式の黒電話、好きだったなあ。受話器がとても重くて、それを持ちあげた時、
「さあ、かけるぞ」
と少し緊張する。終わりも受話器を戻すとチン!って音がする。懐かしいなあ。
小学生の時は、おもちゃの会社、タカラトミー?の電話番号だったのか、かけると「リカちゃん」のおしゃべりを聞くことができた。さらに、高校時代のこと。ある電話番号にかけると和太鼓の音がゆっくりと1回、2回‥‥‥と聞こえる。それがクラスで話題になり
「この音を5回聞くと、死者の声が届く」
と誰かがまことしやかに言い始めた。そんなことはあるまいと、誰もが思っていたはず。
ある男子が意を決してかけてみたんだって。翌朝
「オレ、5回、聞いてみたよ。そしたら『今月の歌舞伎のお知らせ』だった」
だって。男子も女子も笑った。
それらは、スマホでも通用する遊び?ではある。が、現在、そんなことは誰もやらない。もっともっと刺激的なことが世の中には溢れているから。電話番号だって、あんな分厚い電話帳を引っ張り出さなくてもあっという間に検索できる。あの太鼓の音の正体もすぐに分かって、誰も興味もないだろう。
あの黒電話と共に、
「死者の声が聞こえる」
って、そんなこと考えて笑ったあの時代が面白くて好きだ。その若さが欲しいのかな……私は。