毎年この時期に夫と七福神巡りをする。コロナで行かれない時期もあったが、かれこれ10年以上になる。

 

 だからと言って、私は「開運」に重きを置いているわけでもない。そもそも大黒天とか毘沙門天とか福禄寿と言われても、商売繁盛とか延命長寿とか家庭円満と言われても、覚えられないし(覚える気も無い)、同じ地域に7つのお宮、神社、寺があればそれをまとめて七福神にできちゃうじゃん、なんて考える罰当たりな私なのだ。

 

 そんなわけで、私は単なるウオーキングとして、はたまた、こんなことでもなければ一生訪れないであろうその町を楽しむ。お願いもせず、ふつーの日常が送れていることに感謝し、手を合わせて

「ありがとうございます」

だけを伝える。ただ1つあるとすれば、開運というより、戦争のない世界を願いたい。

 

 「都内七福神巡り」を検索すると、おすすめのスポットが出てくる。今年は「多摩川七福神」を選んだ。東急多摩川線の武蔵新田駅で降り、そこから多摩川までを往復するようなルートに神社・お寺がある。

 

 駅はレトロ感漂い、金魚店もあった。金魚売りなんて、祭りの金魚すくいしか見たことがない。ランチは町中華。野菜たっぷりの五目麺のスープはちょっととろみがついていて寒いこの時期暖まる。餃子が美味しかった。

 

 そして、さすがに川が近いこともあってか、工場が多かった。大きな「精螺」の文字を数か所で見つけた。これは一体何?読み方も分からない。初めて目にした。調べてみると精巧なネジのこと。「株式会社○○精螺製作所」など。ネジって螺子と書くなんて知らなかった(捻子などの表記もあり)。あのドラマ『下町ロケット』を思い出した。

 

 多摩川の土手からは遠くに富士山も見えた。

 

 

富士山見ると幸せな気分ラブ

 

 

 今回は、ほんの数坪に鳥居と祠があるような無人の場所もあった。購入した色紙に朱色の七福神のスタンプを自分で押すやり方で、スタンプラリーのようだった。

 

 今まで訪れた場所は1枚の色紙に各所で御朱印をいただく方式だった。私はどちらでも構わない。いろいろな楽しみ方ができて、1万歩を超えた歩数計にも十分満足だった。

 

 

 

 以前、宮司さんだか、神主さんだか禰宜さん?だかテレビで、

「御朱印はスタンプではない」

と、スタンプラリーのように御朱印を集める方を批難していた。御朱印は「参拝証明」として、「神仏とのご縁の記録」だそうです。でもそれは、頂く人それぞれで良いのではないでしょうか?貯まっていく御朱印帳を眺めて

「次はどこに行こうかな?」

と心を弾ませることができたら、それもそれでいい。 

 

 そして、今回訪れたところではないが、ある神社の年明けでお焚き上げ用のエリアがあり、お札、破魔矢、お守りなどが山積みになっていた。がその横に

「こちらの神社以外の物は受け付けません」

みたいな立て看板があって、残念な気持ちになった。神様はそんなに心が狭くないはずだ。どこの物でも受け入れてくれると思う。神様だもの。