今「いたずら」ってあまり聞かなくなった。

 

 小さな子どもに

「やられちゃったよー」

ってことはあると思う。

 

 私もよく覚えていることがある。1つはちょっと目を離したすきに2歳手前の長男、キッチンで収納庫からごま油を取り出し、座って中身を自分の周りに撒いた。他の部屋で掃除をしていて、いやにおとなしいなあ、と思って行ってみると、ひどい状態。


 そういえば、昔のアパートの間取り、リビングのように広々とした皆が集うスペースはなかった。キッチンも一人がやっと通れるスペース。ダイニングもないアパートに住んでいたわ。部屋が仕切られていて、別の場所にいると、子どもの様子がすぐには見られない。


 手をべちゃべちゃとついて、ぬるっとしたその感触が楽しかったことだろう。わかるけれど、カーッとした。洋服、何度か洗ってみたけれど、そのまま捨てました。

 

 もう1つは次男。当時、米びつってのがあって、1合2合3合のボタンを押すと、その量が出てくる。今は、密閉容器の方がお米をおいしく保存できるってことで、あまり見かけないかも。ある日、3合のボタンを押すと、それが止まらず、中のお米が全部ザーザーと出てきた。しかも買い足した直後だったから4キロ分ぐらい。この時もあまりの怒りに泣きたくなった。調べてみると、ストッパーに挟まった栗1個。1歳半の次男が犯人。

 

 この年齢じゃ仕方ないか。

 

 私が子供時代、弟を含め近所のやんちゃ坊主たちは結構あれやこれやと、しでかしていた。十分に理解のできる幼稚園~小学校低学年だ。これこそ、「いたずら」かと思う。

 

 蚊取り線香を細かく折る。どこまで細かく折れるか、ひたすら折る。これ以上折れず、粉になってしまう、まで折る。あの渦巻を誰が一番細かく(形が残る)折れるか、本数でも競っていたかのようだ。ちょっと大人の私でも面白そう、と思う。

 

 シャンプーを風呂にたまった水や湯に1本ドバドバと入れて泡立てる。

 

 豆腐屋さんで買ってきた豆腐、昔はパックの個別包装になっていなかったから、むき出しのままボウルに水と共につけて保存していた。そこに水道の蛇口から全開で水を投入し、豆腐を見事に粉々にする‥‥‥。


 大人たちによく怒鳴られていた。

 

 「こんなことをしたら、これはどうなるんだろう?」

という興味で、怒られるかどうかは考えずやってしまうのだろうか。怒られるとわかっていてやってしまうのだろうか。

 

 最近聞かないな。時代と共にみんな聞き分けの良いおりこうさんになったのか、興味が薄れたのか?他に刺激的な楽しいことが増えたからか。やられた親としてはカーッとするけれど、他人に迷惑をかけていないし、このレベルのいたずらが消えたようで、私は寂しくもある。

 

 先日、仕事帰り、何やらジャージ姿の女子3、4人が我が家の門の前に集まっているのが見えた。すぐ近くには中学校があり、陸上部は都大会でも成績を残すような強豪校。ジャージの背中には堂々と中学校名が書かれている。

 

 「もしやピンポンダッシュか?」

と思った私は、少し遠くから

「こんにちは!」

ってあたかも通りすがりの知人に呼びかけるように声を出してみた。(錦鯉の長谷川さん風じゃなく)

「こらーっ!」

って言うのもどうかと思ってね。実際現行犯って確信もないし。

 

 そしたら

「キャーッ」

って、黄色い声を上げ、私の方を振り返りながら、とんでもないスピードで走って行った。あれは絶対陸上部女子だな。


 不思議と嫌な気分にはならなかった。昭和が思い出されて、なぜだかサザエさんが思い出されて、おかしかった。カツオくん……。