コロナ禍での父の死は、家族、親戚以外、しばらくお知らせをしていなかった。が、人伝に知ったのだろう。そんな方々がお電話やお手紙をくださった。喪中の葉書を出した後、クリスマスカードを送ってくださった方もいらした。心の底から感謝だ。
届いたお手紙の中には、生前の父との交流を書いてくださったものが多く、私たち遺された家族はとても喜んだ。知らなかった話も多かった。そしてみんなが「ありがとう」と言ってくれていた。
「買い物の重たい荷物を自分の仕事の配達の途中にもかかわらず車で運んでくれた」「いつも笑わせてもらった」「町内会主催の行事などでは、挨拶が上手だった」「歌が上手だった」などに加え、「陰の努力家」「人徳者」などという立派な言葉まで頂戴した。
私は、実家に行き、友人から届いた手紙を母の前で大きな声で読み上げた。母自身に届いて既に何度も読んだであろうお手紙も朗読した。そのたびに母はガーゼのハンカチを目に押し当てていた。そして涙声で言った。
「お父ちゃん、なんだか死んでから評判いいんだよね」
って、これには私も笑いをこらえることができなかったよ。