師走に入るちょっと前ごろから、それは配られ始める。新聞屋さんだったり、どこかの個人商店さんだったり、銀行だったり……。どこにあるのかも知らないようなお店(失礼ですね、すみません)のものがポストに入っていることもある。
私はカレンダーを買ったことがない。だって毎年余るほどなんだもの。
「ありますので要りません」
と言えればいいのだが、
「どうぞお持ちください」
と丁寧な笑顔で渡されると、断れずに受け取ってしまう。
「いかがですか?」
と聞いてくれたら
「せっかくですが……」
とお断りできるのに、と思う。
大体から、私はカレンダーを家のあちこちに貼るのがあまり好きではない。トイレには絶対貼りたくない。ほとんど使われなくなった、鎮座まします家電話機のそばに新聞屋さんが毎月くれる予定が書き込めるタイプの紙1枚があれば十分だ。そうなると当然余る。クルッと丸められてビニールに包まれた筒状のものが年末に何本も我が家のスペースを占拠する。
さて、大掃除(ってほどでもない、よそ様から見たら普通のお掃除)の際、これらをどうするか、すっごく悩む。来年のカレンダーを前年末に捨てるって、未来を捨てるようで、私にはどうしてもできない。結果、クローゼットの奥に押し込まれ、過去になった部分から順番にメモ用紙として、裏側を使う。そのまま1年が経ってしまうこともある。時には子供たちが
「子ども(孫)のお絵かき帳にしたい」
と言ってくるので、それは助かる!とばかりに喜んで渡す。
店先にいろいろな種類のカレンダーが並んでいるのを見ると、お気に入りの1つを選んで1年過ごしたらどんな気分なのかなあ、と思うようになった。はてさて、世の中の皆さんはどうしているのかな?