私、絵が下手です。上手な人が羨ましいし、何とかならんものかと思ってきた。だって、旅に出ると、時々お見掛けするじゃない、絵の具でササっとスケッチブックに風景画を描いていらっしゃる方。あれは、写真にはない価値がある。あんな素晴らしいレベルじゃなくていいから、自分もあんなふうに旅の記録を残したい……と思ったこともあった。今では、あきらめました。

 

 同じように手と指があって筆を使えるはずなのに、この違いは何だろう?私は、絵が上手な人は、目にしたものを頭の中に瞬時に描くことができるのではないか、脳の特定の分野が特化しているのではないか、と最近思うようになった。だって、例えば、私は

「ミッキーマウスの絵を描いて」

と言われて、描けないけれど、お手本の絵を見ながら描くとなれば、何とか形になる。けれども立体的なもの、平面であってもお手本もないもの、に関してはどうにもこうにもお手上げだ。

「鳥の絵を描いて」

なんて言われた暁にゃあ、

「あれっ?鳥の足は2本だっけ4本だっけ?」

のレベルだ。これ、盛ってないです。ホントにわからなくなる。

 

 その昔、長女が5歳の頃、絵を描いてそれが何か当てる遊びをした。家の中にあるものならチラ見しながらそこそこの絵になった。そのうち、それが動物に移り、私はキツネの絵を描こうと思った……つもりが、どことなく間抜け!

 

 5歳の娘に教えられた。

「おかあさん、キツネは三角を下向きに描いて耳を付け、目をつり目にして、鼻は三角のとがったところ!口は描いちゃダメだよ!!」

たった5年しか生きていないのに、どこで覚えたんだろう?片や30年以上生きている私はこれまで何をしてきたんだろう?

 

 言われたとおりに描いてみたらそれらしくなった。長女は我が家で唯一なんとなく絵心がある。いったい誰に似たんだろう?

 

これね!最近娘と思い出を語りながら描いたの。
「その昔、私のキツネはこれだったね」って。
どちらが娘のものかお分かりと思うけど、
真正面とちょっと斜めのキツネさん!
ここにもちょっとしたセンスの違いがえーん