この度の八冠達成、誠におめでとうございます。それがどれだけすごいことか、わかっているようでわかっていない私ですが、応援はしてきましたので、嬉しいです。感動しちゃっています。

 

 その昔、自身の小学校の高学年では「クラブ活動」という授業があった。必ず月曜日の午後、週1時間の活動だった。中学校や高校の部活動とは違って、決められていたクラブ活動の中から、自分のやってみたいものを選ぶ。1年間、続く。学年やクラスを飛び越えての活動は楽しかった。体操、バドミントン、卓球などの運動系もあれば、科学、文学、音楽、囲碁将棋などもあった。それぞれ、各クラス4人まで、というように人数が決まっているから、希望通りにはいかない。希望者が多いクラブは最後にはじゃんけんとなる。

 

 私は5年生の時には希望通りのバドミントン部だったけれど、6年生ではじゃんけんに負けて、仕方なく文芸部に入った。決められた本を読んで全員で感想を発表したり、創作話を書いたりした。それはそれでおもしろかった。年子の弟は、6年生でやっぱり希望が通らず、仕方なく囲碁将棋部に入った。ところがね、嫌々入ったものの、その魅力にハマったらしい。

 

 当時の我が家に将棋なんて存在しなかった。弟は、安っちい紙の将棋盤?と駒の将棋セットを買ってもらい、家でもなんだか一人で取り組んでいた。そのうちに「初心者将棋」だか「将棋入門」だかの本まで親にねだって買っていた。なんでも将棋には型があって、先ずそれを頭に入れるのだという。

 

 その後、月曜日の夕食の話題はしばらく弟の将棋部の話になる。担当の先生だけでなく、いろんな先生が対局相手になってくれたそうだ。そして時には勝つこともあったらしい。

「今日は誰が来たの?」

って私は必ず聞くようになった。用務員さんの時もあれば、事務室の先生もみえる。教頭先生や校長先生は常連のようで、それもまたおかしかった。

 

 13歳の私は、大人と子どもには大きな差があると思っていて、どんなことでも子どもが大人に勝つなんて想像もできなかった。もちろん、トランプやゲームではそんなこともあるけれど、あれは運の世界だと思っていたから。が、将棋は違うと思う。弟から

「今日は○○先生に勝った」

なんて聞くと興奮した。ただ、彼の将棋熱はたった1年でさめ、中学校ではスポーツ部に入ってしまった。続けていたとしても趣味程度と思うけど。あ、いくら弟とはいえ、この私が言うのもおかしいわ。

 

 そうです。藤井聡太八冠は、中学生で既にプロ棋士となり、素晴らしいスピードで、この度偉業を成し遂げた。父や祖父ほどの年代の棋士とも対局し、勝利してきた。一体彼の頭の中はどうなっているのだろう?

 

 それにしても今更ですが、将棋について、駒の動かし方くらいしか知らない私は、「その対局の勝敗を分けたであろう一手」とかテレビでやっていてもまったくわからない。そんな時、画面の下の枠で「AI分析」みたいなもので、90%不利、からググーッと90%有利みたいに判定が逆転すると、テンション上がる。なんだかそんな見方しかできない自分が情けなく、将棋界の方々に申し訳ないですが、これからも応援だけはさせていただきたく、よろしくお願いを申し上げます。