1.『3億円強盗事件』
私が小学生の時だから、半世紀以上前のことだった。寒い時期だった。府中で、現金輸送車が白バイ警察官に扮した男に乗っ取られ、3億円を奪われた事件。私は、3億円がどれほどの価値かもわからなかったけど、一生遊んで暮らせるのかな?とか考えた。そして、絶対捕まえないから、顔だけ出して、って思った。どんな人か見たかった。今も生きていて、どこかで生活しているのだろうか?ドラマのように、見事だった。
2.『あさま山荘事件』
やっぱり私が小学生の時の事件。軽井沢の山荘に人質をとって連合赤軍の人間がたてこもった。10日ぐらい続いたかな?とにかくどこの家もテレビをつけっぱなしにして、事件の行方を見守った。小学生の私は連合赤軍、といわれてもよくわからなかったから、どうなるのか大人と一緒にテレビに張り付いていた。銃撃戦が繰りひろげられたが、最後はなんか大きな鉄球みたいものが振り子のようにバーンと家を壊していた。
今から10年くらい前に夫と一緒にその山荘を探した。夫は、観光名所とかより、何かの事故事件現場などに関心がある。夫の名誉のために言っておくが、ヤジ馬っていうのとは違うようだ。それを風化させないためにせめて自分の心の中にだけでも刻んでおきたい、みたいな感じだ。あ、夫は刑事じゃないです。じゃ、やっぱ、ヤジ馬か!
それは、軽井沢の別荘地の中にあり、なかなか見つからなかった。既に関係書籍を持っていた私たちは、その地図を見ながら車で走り回るも 困難を極めた。道は曲がりくねっているし、カーナビの道は時々途切れる。あきらめかけた時、偶然にも書籍の地図を回転させていたら、カーナビにうつった道がまったく同じ形になった。それを頼りに私たちは、テレビで見ていたあの、柱の上に立つ高台の建物を見ることができた。慰霊碑があった。手を合わせてそこを後にした。
3.『オウム真理教サリン事件』
これは通勤時間帯にいきなりテレビで知らされた。一体何が起きているのか、その光景も恐ろしく、私はくぎ付けになった。のちにオウム真理教の一部の人間が化学兵器を使って多くの人を殺害し、傷付けたと判明する。次第にその事件が解明するにつれ、「洗脳」って恐ろしいな、と思った。人って、あれほどの悲惨な事件を起こそうという考えに誘導されてしまうことがあるんだ……。
