そもそも私はその人のことが苦手だったようだ。平成に入ってすぐの頃のこと。長男の幼稚園のママ友の一人だった。1対1でのお付き合いは到底無理だったと思うが、10人ほどのグループだったから、あまり気にはならなかった。しかも子どもの遊び仲間から発生したグループだったから、問題もなかった。
人のうわさ話が好きで、自分が輪の中心にいないと気が済まない人。それこそ「マウントをとりたがる人」そのものかも。ただ、当時はそんな言葉もなかったな。でも人のために動くのも好きな人だった。見返りも求めないのはすごいところだ。けれど、それが空気を読めないと言うか、自分の判断で良かれと思ってどんどん動いちゃう。
仲間のある一人のママが第2子出産で入院中、上のお子さんを近くに住むおじいちゃんおばあちゃんの家に預けていた。幼稚園も休ませていた。すると
「お子さんが友達同士で遊べないのはかわいそうだ。おばあちゃんも大変だろう」と、彼女のご実家にまで「初めまして」で訪れて、送り迎えしてまで一緒に我が子らと遊ばせた。そこまでは、譲りましょう。ありがたいことかもしれない。
けど家でお留守番のパパさんのために
「どうせ子どものお弁当を作るから一緒よ」
と言って、毎朝お弁当を届けていたって後から聞いてびっくり!それって、どうかなあ?今だったら完全アウト!昭和半ばまでならば、近所の世話好きおばさんとしてセーフ?ご近所付き合いも家族ぐるみで濃かっただろうし。
そして、当時の平成初期はどうなんでしょうか。
「それってアリ?ダメだよねえ。彼女らしい」
って噂してたけど。
今から何年か前に彼女にばったりお会いした。自転車の前後に2人の女の子を乗せていた。お孫さんだった。
「久しぶり~。元気?」
とお互いに軽いあいさつを交わし、
「またね~」
と急いで自転車のペダルを踏みこもうとしたその時、
「beachanさんはお孫さんは?」
と聞かれた。絶対来ると思ったよ。ただ、嬉しいことに、私にも少し前に孫がやってきたのだった。
「先月生まれたばかりなんだ」
と答えたら、
「大丈夫よ!3か月もするとよく笑うようになって可愛くなってくるから」
あの~、何が大丈夫なんでしょうか?3,4ヶ月にもなると笑顔も見せてくれるようになるって……、知ってます。私自身3人子ども育てましたから。
