娘、娘婿、私の何気ない会話だった。長女(孫)が夜中に突然しゃべりだすことがあるらしい。先日は
「プリンたべてくださ~い」
だって。ムニャムニャじゃなくてはっきりわかる言葉になっているそうだ。夢でも見ているんだろうね、って話していた。
その昔、娘が夢を見ていて目が覚めても「続きが見たい」と思うとそれが見られると言ったのを思い出してその話をした。娘は
「そうそう、今でもできるかも」
と言った。それって、努力してできるできないの問題なの?婿殿もさすがに驚いていた。私は羨ましかったよ。だって、たいてい夢ってちょうどいいところで終わっちゃうのよね。そして、続きなんて見られないもん。
それから、私が学生の頃、「夢をカラーで見られるのは、特別な人」みたいな話が広まっていた。そんな人は滅多にいなくて、美的センスのある人、とかオシャレな人、だと。そして、それがまた、当たっていたようで。私の友人にもいたけれど、確か彼女は美大に進学したっけ。ファッションセンスも飛びぬけていた。娘も時々色付きの夢を見ると言うのだ。彼女は私と夫の「絵が下手なDNA」を引き継がず、まあまあ絵心があるとでも言いましょうか。だから、私はやっぱり「色付きの夢」の話は真実かと長年思ってきた。すると婿殿の一言。
「えっ?色付いた夢、見るよ」
いやいや、これにはこちらが「えっ?」ですよ。失礼ながら、ファッションセンスがいいとは言えない彼、絵が得意とも聞いたことないし。娘も絶句していた。
そしたら最後に
「それって、『写真がカラーの時代に育ったか白黒の時代に育ったか』の違いじゃないの?」
と婿殿が言った。
私、娘の旦那のこういうところ、好きです。