私はとっても現実的な人間だと思っている。そして、筋道が通ったことが好き。

小学校3,4年生の通知表に何度も「論理的思考に優れる」と書かれた。当時、その意味も分からず、そのたびに父に聞いたな。

 

 ある夏の日にはこんなこともあった。風鈴が風に揺れて「チリンチリン」と音を奏でていた。小学生の私は父に質問をした。

「風鈴って音が鳴ると、風が吹くの?」

すると父はあきれたように

「何言ってんだよ!風が吹くから音が鳴るんじゃないか!」

と言った。じゃあ、大人が言っている「風鈴が涼を運んでくる」って、何?って私は納得できなかった。何のためにわざわざ風鈴をぶら下げているのだろう?割れたら危ないものを‥‥‥。扇風機の方がよっぽど涼しい。

 

 大人になっても「生活に必要なモノ」以外はあまり買わないタイプ。筋道云々なんて言うと立派そうだけど、他に大きな理由がある。面倒くさがりな私のズボラな性格だ。お花を飾れば後始末は必要だし、何か物を置けば、掃除のたびにどかさなければならないし……。

 

 ところが、あったんです。10年位前に夫と九州旅行した時、黒川温泉のお宿のロビーで、茶香炉を見つけました。最初に目に入り、すぐに気に入って、女将さんにお話したが

「売り物ではないんですよ」

と言われてしまった。ところが、のちにわざわざお部屋に来てくださって、私は購入させていただいたんです。

 

 100金で売っている小さなアルミ缶入りのキャンドルに火をともし、ふたの部分に茶葉を入れる。しばらくすると日本茶の良い香りがお部屋に広がる。毎日使ってはいないけれど、お部屋をいつもより丁寧にお掃除した後とか、お友達が来てくださる日とかに使う。気持ちが落ち着く。こんなの私にそうそうあることじゃない。

 

 子どもの頃はわからなかった「生活に彩りや華を添える」とか「風情・趣」とか、私は50過ぎになってやっと理解し始めたってことかな。遅すぎる私でした。

 

急須の形になっているところが珍しくてお気に入りですラブ

 

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