4月12日は、「パンの記念日」なんだって。そして、私はパンが大好き!私の「パンにまつわる記憶」で一番遠いものは6歳頃のことだった。
私の幼稚園のお弁当箱は犬型のアルミのピンクのお弁当箱だった。弟はブルーで、母がお揃いで買ってくれたようだ。そしてよく登場したのがのり弁。私はあれが大好きだった。
ところが、ある日同じお弁当グループの中にまさと君という男の子がいて、彼のお弁当はいつもサンドイッチだったことに気づいた。私がその頃、「サンドイッチ」という名前を認識していたかどうかは定かではないが、白いふわふわした感じのパンにいろいろな具材がはさまれていた。四角い紙のボックスを開けると花柄の紙ナフキンがあって、それを広げるととってもおしゃれなお弁当が現れる。そして、まさと君のお母さんはすごく美人で、奇麗なエプロンが似合いそうだった。
ある時から私は母にパンのお弁当をせがむようになった。それは、なかなか叶わなかったが、ある日、お弁当箱がいつもの犬の形でなく、四角いタッパーだったので「あ!今日はパンのお弁当かも」と思い、お昼を楽しみにしていた。
お弁当の時間になり、
「いただきます」
の声でふたを開けた私はびっくり。ジャム、ハム、ジャム、ハムがサンドされた厚めのパンが4つ。
「おかあちゃん、違う違う!まさと君のはね、キュウリとかトマトとか、ハムとか卵なんかもはさんであって、パンはずっと薄いんだよ」
フタを開けた時の自分の顔、見たかった。
そして私はいつの頃からか、パンが大好きになる。その昔、お店でそんなに種類も豊富じゃなかった時は、食パンを焼いて、バターを塗って、薄ーくお砂糖をまぶしたらそれだけで大満足。人生初のバイトもパン屋さんだった。そのお仲間とは今でもランチをしたりするけれど、もちろんみんな大好きだから、歩いていてパン屋さんがあると誰かしらが
「入ってみる?」
と言って、全員吸い込まれちゃう。ランチのお店でおいしいパンが出てくると、スタッフさんを捕まえて最終的に販売されてもいないのに、お願いして購入させてもらったこともあった。数年前から食パンブームが来て、私は食べ比べもした。それほど専門的でもないけれど。まあ、近所の食パン屋さん、レベルだけれどね。
実は、私の父は米穀小売業、つまりは米屋を営んでいた。それにしても米屋の娘がパンが大好きとは……。ご飯だって嫌いなわけじゃあないから「罰当たり」とは言えないかもしれないけれど、なんでかなあ?って思っていた。
4月12日が「パンの記念日」だって数年前に知った。そして、今日、4月12日は私の誕生日!偶然?必然?
