3人の子どもの母の私は、過去に結構な回数の保護者会に出席した。先生のカラーが出るが、まあ大体年度初めのそれは、ひとことずつ親の自己紹介がある。その後の数回は先生からのクラスの様子報告だ。そして学年末には、次年度のクラス委員を決める出席率が極端に悪い会となる。

 

 さて、ある先生は子供たちが今どんな授業をしたり、活動をしたりしているか、実際に親たちも経験しよう……ってな企画をよくやってくれた。私がよく覚えているのが『ディベート』だ。ディベートなんて言葉、いつごろから耳にするようにようになったっけ?もちろん私が小学生の頃はそんな授業はなかった。

 

 その日のテーマは「カレー対ラーメン」だった。私はここで初めてディベートにルールがあることを知った。実際は何かのテーマの肯定派と否定派に分かれるらしい。そしてその中で最も驚いたのが、自分の個人的な考えを訴えるのではないってことだ。敢えて自分の考えとは逆の立場に立って物事を深く見つめることが大事らしい。

 

 私は、カレーチームだったらいいな、と思っていたが、座席の関係でラーメンチームになってしまった。私にとってはルール通りということだ。カレーチームならば

「野菜と肉がたっぷり入っていて、栄養バランス的には良い」

「冷めても温め直しができる。ラーメンだとのびてしまう」

「夜、自分がお出かけするときのメニューに適している」

なんて色々考えられるのに……。

 

 そんな意見が次々にカレーチームから出され、私たちラーメンチームはせいぜい

「味のバリエーションが楽しめる」

ってなところで、圧倒的に劣勢だった。

 

 その時私はひらめいた。アルコール好きな方々が皆口をそろえて

「飲んだ後の締めにラーメンは最高!」

とおっしゃるのを……。私自身は若い頃に数回経験した程度だったが、サッと手を挙げて

「飲んだ後の締めにラーメンは最高!」

って言ってみた。すると先生やお母さん方から拍手の嵐!なんだかすごく嬉しくて、誇らしい気分になった。

 

 けど、その後、私のイメージは酒豪となった気がする……。