「十歳(とお)で神童、十五歳(じゅうご)で才子、二十歳(はたち)過ぎればただの人」なんて言葉、今の若い人だと知らないかもね。
娘は言葉が早く、1歳半の頃に
「パパ、アンパン半分ちょうだい」
と言って周りを驚かせた。さらに成長と共に、相手の心を慮る言葉まで発するようになった。
2歳の誕生日にドラえもんの傘が欲しいと言っていた彼女。ちょうどトイレトレーニングもしていた。ま!言葉も達者だから、当然のごとくトレーニングらしきこともせず、すんなりとおむつからパンツに移行できた。が、ある日、あまりにも遊びに夢中になってしまったのだろう。失敗してしまった。すると彼女は
「これじゃあドラえもんの傘買えないね。おしっこはパンツはダメ、トイレだよね、おかあさん!」
2歳前にしてこれには参りました。
そして3歳も過ぎ、弟も生まれ、私は二人をママチャリに乗せ、ある日坂道を登っておりました。すると後ろからやはり3歳くらいの男の子を乗せたママチャリが軽やかに私たちを追い抜いて行った。当時は今のような電動自転車など存在せず、自力だ。その時男の子が振り返って
「抜かした!」
と言ったのだ。そこは普通の3歳児ならば
「ママ!もっと速く走ってよ~」
とくるところだ。が娘は
「いいのいいの、ウチは2人乗せてるの」
と彼に向かって叫んだのだ。感謝した。
さらに4歳になり、幼稚園に通い始めたある日のこと。前の晩、体調が悪かったのか食べたものを吐いてしまった。が、翌朝熱もなく元気だったので、幼稚園に行かせることにした。道中
「おかあさん、『昨日の夜ゲボしちゃったので、今日は気を付けて看てやってください』って、ユミ先生に伝えてね」
だって。ハイ、わかりました。
とにかくこんな話は数知れず、天才とまでは思わなかったが、将来どうなるかと期待したものだ。が、小学校入学頃からそれは薄れ始め、今じゃあただの人だ。
赤ちゃんの脳、特に言語分野の発達は、私にとって大変興味深い。一度でいいから、一時間ぐらい3歳児の脳を今から体験してみたい。