ブラジルで9年前(!?)に上演された『イエスタデイ』が、初めて再演されました。
自分の脚本作品が他人の手で演出されると、どのような形で新しく生まれ変わるのか、ワクワクドキドキ。
しかも、初演は座・高円寺という横に長すぎる劇場。
横に長すぎるが故に、横移動を印象付けるために、段差をつけて前面と後面で別の空間にしたり、自転車走らせてみたり、あの手この手で空間を使おうと書いた作品ですが(ブラジルではいつも劇場を想定して脚本書いています)、座・高円寺の半分以下の舞台面積の上野ストアハウスでどう生まれ変わるのか。
演出してくれたのは、粕谷佳五くん。
一度、僕が演出したことある俳優さんで、P能力もあり、信頼できる友人。
(元自衛隊員だったり、料理がプロ級にうまかったり、なんだか変な才人)
A班とB班という3人のキャストを除いてダブルキャストでしたが、今回はWEBラジオでお世話になった女子プロレスラーの本間多恵ちゃんの出演するB班を観劇。青野未来選手が美樹を演じるA班も見たかったのですが、スケジュールの都合で断念。
舞台セットは、上野ストアハウス版ということで縮小版というのは否めないのですが、ちゃんと車椅子も登場したり、庭の桜もあったり、2階への階段もあったり、狭い中で必要なものはきっちり揃っていました。お見事。
暗転がやや多めだったのですが、ブルー転換でテンポよく切り替えてしまった方がいいかなと思うところは多々。私の演出より会話のテンポがよくて、小気味よくお客さんを巻き込んでいくスピード感があります。私はどうしてもしっかり間を取ってしまうのよね。アドリブ(orアレンジ?)多めで、登場人物のキャラクタから外れすぎてしまうものも散見しましたが、こういうのはなるべくキャラクタの気持ち・動機の中で遊んで欲しいなというのが、ちょっとした不満。
笑い多めですが、最後しっかり落ち着かせていたので、とてもいい再演だったと思います。
各俳優さんですが、3姉妹はとてもみなさんハマってました。
特に、本間多恵選手のカスカスの声(試合後はカスカスと本人談)が酒呑み感を出していて、グッド。松本稽古さん(なんちゅう芸名)も緩急ついた芝居で、車椅子の彼とのシーンは見応えありました。雅之を演じた小寺利光さんの抑えめな演技は好印象、完全に当て書きした難しすぎる美樹の役を冨樫結菜さんが見事に演じていて、可愛らしかったです。
俺もまた舞台やりたい!と思わせてくれる作品でした。
演出の粕谷くん、おつかれさまです。
初演のDVDの予告編です。ネット通販、もしくは観劇三昧で販売中。
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