最近の映画が長い理由 | 東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

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世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

今年は久しぶりに映画館で映画を見ました。特にロングランで大ヒットとなった「国宝」は、母と一緒に見に行きました。見に行った人は知っていると思いますが、この映画は約3時間もあります。途中でトイレに行きたくなるのではないかと心配しながら見ました。

 

ふと思うと最近の映画は上映時間の長い作品が多いと思います。前述の国宝もそうですが、「オッペンハイマー」や「鬼滅の刃」も2時間を超える長さです。少し前まで映画は2時間程度というのが、一つの基準のように存在していました。もちろん、昔から大作や叙事詩的な作品には3時間を超えるものもありましたが、一般的なハリウッド大作や邦画の多くは、この2時間前後という枠に収まっていたように思います。

 

なぜ「2時間」が基準になったのでしょうか? その背景には、過去の映像メディアの物理的な制約が深く関わっています。最近の若い人は知らないと思いますが、自分が中学生の時に初めてビデオというものが誕生しました。そしてそれはテレビ番組を録画することが出来るという、当時は画期的なものでした。ビデオテープにはVHSとBetamaxの2種類があり、最終的にはほとんどがVHSになって行ったと思います。

 

そして家庭用ビデオが普及し始めた頃、市販の映画はビデオテープで提供されていました。このテープの標準的な録画時間が、およそ2時間であったことが、映画の収録時間に大きな影響を与えました。長すぎる映画は、テープを2巻に分ける必要があり、コスト増や視聴の手間が生じました。

 

しばらくしてDVDやブルーレイディスクのデジタル時代に入り、市販の映画はDVDで普及しましたが、ここでも片面一層のディスクに高画質で収めるには、やはり2時間から2時間半程度が目安となりました。特にDVDが登場した初期は、画質と収録時間のバランスを考えたとき、2時間が非常に効率の良い長さでした。映画をこれらのメディアで流通させることを前提とすると、制作側も無意識のうちに「2時間以内」に物語をまとめるという制約の中で作品を構築していた側面があったのです。

 

しかし、近年、状況は劇的に変化しました。NetflixやAmazon Prime Videoなどのストリーミングサービスが主流となり、映画の視聴スタイルは大きく変わりました。物理的なディスクやテープに収録する必要がないため、上映時間による物理的な制約は完全に消滅したのです。映画が劇場公開されたとしても、その後の主な流通形態はデジタルです。ブルーレイディスクの技術も進化し、長時間の収録が容易になりました。この市販される際の時間の制約がなくなったことで、映画監督たちは2時間という枠に囚われる必要がなくなったのです。

 

しかし長い映画ってどうですか?正直、自分はちょっと疲れてしまいます。映画館で見る映画は大画面と大音響による大迫力で、それはそれで素晴らしいのですが、実は家ではデジタル配信されている映画を1.25倍や1.5倍速で見ています。だって、長いんだもん(汗)

 

映画館のイラスト