こんにちは。BeBRAVE.Sの明正明美(みょうしょうあけみ)です。


「ケーキの切れない非行少年たち」などの著書や、認知機能を強化するドリル「コグトレ」などで有名な児童精神科医の宮口幸治先生が子どもの食事についての本を書いていたので、あれ?こんな専門外の本も書くのか〜と、ちょっと興味をひかれて読んでみました。


えーとですね、やはり専門外なのであまり面白くなかったです😅💦


栄養士さんとか女性の教育者、保育者なら誰でも書いていそうな一般的なことと、あとはやはり宮口先生もおじさんなのと、児童精神科医という職業柄か、お母さんの愛情がなんたらかんたら、とにかくお母さんの手作り料理が子どもの心を育むみたいな、たしかに正論なんですが、子育ての重圧とワンオペで辛いお母さんにはちょっとナニコレ💢的な内容でした。


ただ、ひとつだけ、面白いエピソードがあったのでご紹介しますね。


児童相談所には一時保護所という、こどもの処遇が決まるまで児相の職員と共に生活する施設があるのですが、一時保護と言いながらけっこう長くなることもあり(数ヶ月とか)食事も大変なのです。

あるとき、児相の職員が、たまには色んな種類のカップ麺から子どもが好きなものを選ぶというのも楽しいのではないかと思い、たくさんの種類のカップ麺を用意したところ、子どもたち全員がシラ~ッとなったそうです。


全制覇なんてとっくに終わったし!

食い飽きた!

またカップ麺か!


このような声ばかりで、どの子もカップ麺に見向きもしなかったとか。


児相職員は子どもたちの日頃の食生活の実態を知り愕然としたということです。児相職員の子どもたちはたまにカップ麺を食卓に出すと大喜びしたため、一時保護所の子どもたちもそうだろうと考え、子どもたちを喜ばせるためにやったのですね。


気持ちはわからないでもないです、児相職員の…


我が家の娘もたまにカップ麺を出すと、ヤッターと大喜びです。我が家ではカップ麺は年に数回しか食べませんから。


児相というのはネグレクトや虐待、その他いろんな問題に直面している子どもたちを専門に見ているところです。そんなところの職員でさえこのような失態をやらかしてしまうです。


他者のことを思いやるというのは甘いことではありません。そのことがよくわかるエピソードです。他人事とは思えません。


児相の仕事が過酷なことはわかりますが、子どもたちの置かれている状況はなおのこと過酷なのです。


宮口先生はやはり、こういう記述こそ力の発揮のしどころです。ここだけ面白かったです😊



最初、出版社からは、犯罪の被害者になる子、加害者になる子という内容で執筆を依頼されたそうですが、そんな単純なことではないということで、何か知りませんが食事の話になったそうです。確かに。こういう二分法は受けますが、受ければいいというものではありません。


関心のある方は読んでみてくださいね😊