ただ無作為に書きます。
乱文失礼致します。
遅ればせながら『真夏の夜の夢』。
全ステージ満員御礼、盛況の中で幕を降ろすことが出来ました。
本当にありがとうございました。
ご来場、ご観劇下さった皆々様。
共に紡ぎあった皆々様。
本当にありがとうございました。
1年前に、劇場で浮遊したままの我が魂を無事回収できました。
ともすれば、たとえ上演出来たとて、この作品を通じての関係者の皆様や、お客様の評価を頂いてなければ、無事 魂の回収には至ってなかったのかもしれません。
それは初日公演を終えた時の、鳴り止まない拍手を聞いた瞬間かもしれません。
慌ただしいタイムスケジュールの中、ただ終演後に迫った退館時間との闘いの刹那、とどまることのない拍手の圧は、今も、これからも、忘れずに僕の耳と魂にこびりつき、これからの創作の原動力となってくれることでしょう。
本当にありがとうございました。
話を少し前に戻します。
僕はこの2年目の『真夏の夜の夢』再始動に対して、心と身体の動きが鈍いと、以前言及しました。
そして、それらを拭い去り、自分を発奮させるきっかけもあったと。
今日はそのことに少し触れたいと思います。
今年の『真夏の夜の夢』のオーディションは新年明けしばらくして行われました。
そして、その時点で、昨年メンバーの半数以上が出演出来ないことが判明しました。
僕がその時点で正式に声をかけていたゲストはオーベロン役のわっしーさんとボトム役の翔太だけでした。
まずはそこを死守し、後はオーディションメンバーとの兼ね合いでキャストを決定しようと思っていたのです。
しかして、オーディションに集まってくれた方々の多くはまだまだこれからの可能性を秘めたメンバーが多く、技術的にはまだ未熟と言わざるを得ない面々でした。
そんな中、僕の周りでいろいろな公演情報が決まってきます。
以前、僕が演劇人として恩師にあたる方を、末満さん、えん魔さん、高見さんと紹介したことがあります。
それは今も変わらずの考えで、この3人の影響を受け、現場で成長させて頂いたということに間違いはありません。
そして、それらお3方の真夏前後の公演情報が自分の元へ入ってくるのです。
えん魔さんは同じシェイクスピア作品の代表作『ハムレット』を3月に。
末満さんも同じシェイクスピアの名作ロミオとジュリエットを浪花人情劇にした『富美男と夕莉子』を同じ5月に。
高見さんは僕の本番の一週間後に別演目本番を。
3月のハムレットは僕も役者で関わることが決まっており、高見さんの『スパイ ライク アス』に関しては、本来登板予定だった翔太が上京するに伴い、急遽僕に出演の依頼が飛んできました。
末満さんの『とみゆり』に関しては東京公演が僕の真裏日程。
いやいや、去年の悪夢に苛まれ続けた魂に、これだけ強制的に尻叩きされる状況ある?
偶然やろけど、ほんま僕を怠けさせへん恩人達やわ。
そんなん、このタイミングでシェイクスピア作品の演出するのに下手な真似出来る訳ないやん。
尻に火が付くというより、魂に渇を入れてもらった感じで、真夏の再始動を進めました。
オーディションメンバー以外は僕のコネクション&昨年の信用メンバーに声掛け。
クリエイティブチームにも昨年以上の作品にするべく、各セクションのブラッシュアップをお願いしました。
3月のえん魔さんの『ハムレット』は真夏の演出業を兼ねながら、しかも大役クローディアス。
主演のハムレットに匹敵する程に台詞や段取り事の多い大変な役でしたが、僕は恩師に恥じる仕事はしたくなかった。それこそ、初通し前は一睡もせずに台詞を叩き込み、本番まで練磨は欠かしませんでした。
結果、劇作としての評価も、一俳優としての評価も、苦労した分、多分に頂戴することが出来ました。
千穐楽カーテンコールで、えん魔さんに今作のMVPと言って頂けた時、少しだけ自分で自分を褒めてあげたくなりました。
そして、高見さんの『スパイ ライク アス』。
真夏の一週間後なので、ほとんどの稽古に出れないことはお伝えしておりましたが、高見さんはいつも僕に役者仕事を振ってくれる時は、最低限の参加で良いと言って下さいます。
高見さんと一緒に教えている事務所のメンバーの公演であり、大切な演劇仲間の一人である翔太の代わりと言うこともあり、何より、大切な恩師からの依頼が故、無茶なスケジュールをおして出演をお受けしました。
では何故ここで高見さんの話も関わってくるかと言うと、そもそも『真夏の夜の夢』上演の経緯から始めねばなりません。
この演目はもともとdysmic Entertainmentさんで数年前に上演されていた作品でした。
当時はオーディションキャストのみで構成された演目で、dysmicの山本社長的には内容に納得しておらず、別メンバーで作り直して欲しいとの依頼でした。
その依頼を最初に受けたのは何を隠そう高見さんで、高見さんが自分ではなく、僕がいいんじゃないかと演出の仕事を振って下さったのです。
僕もシェイクスピア作品に携わるのが初めてだったので、最初は迷いましたが、これも経験として仕事をお引き受けしました。
今年キャスティングしたNMB48の泉綾乃ちゃん等は、高見さんが紹介して下さったご縁で共にメンバーの演技指導をすることとなり、そのご縁での配役でした。
そんな経緯があるから故、真夏自身での演出仕事も、翌週のスパイ客演本番も、手を抜くことなど許されなかったのです。
特に真夏の数日後に本番を迎える『スパイ ライク アス』はまだまだ公演の肉体的疲労も精神的疲労も、何より、あれだけの想いを込めて作り上げた作品に対する思い出も引きずり続けたままでの日程でしたので、その切り替えが一番大変でした。
公演はまだまだ若いメンバー中心ながら、今出来ることをやり切り、僕自身もお世話になった方からの依頼に恥じぬ仕事は出来たと自負しております。
ここでも自分を褒めてあげたくなりました。
そして、先日。
末満さん作演の浪花節シェイクスピア『富美男と夕莉子』の大阪公演を客席から見届けさせて頂きました。
末満さんの浪花人情劇はピースピットの『れみぜやん』、patchの『羽生蓮太郎』に続き三作目の観劇。
久しぶりの末満さん作品はやはり演劇愛に溢れていて、何よりこの浪花人情劇シリーズはどの演目も外れがない。
とても楽しく拝見すると共に、演劇の素晴らしさや、創作の楽しさを再確認するのでした。
特に、劇中での遊び心の数々は、僕もたくさん末満さんの影響を受けているんだなと自覚する程に、強く共感し得る演出面が幾つもありました。
演者さん達が楽しそうに物語と客席との空気を行き来している姿は、ライブである演劇の強みを最大限に活かしたもので、同じ演劇人として本当に楽しく、誇らしく、観劇させて頂きました。
さてさて。
そんな恩師達の見事な仕事っぷりに挟まれ発奮した洋平君は、いかがだったのでしょうか?
正直言いますと、僕自身は細かい反省点や改善点がたくさんあります。
が、あの日あの時、多くがオーディションキャストというあの若いメンバーで、その時出来うる全てはやりきったんじゃないかと。今のところはそう思っております。
お客様達からのたくさんの拍手。
山本社長からは、dysmic作品で初めてまた観たい作品に出会ったと。
中日のお弁当を差し入れして下さったキャレスの曜子社長からは、これからメジャーにあがるオフブロードウェイを観させてもらったみたいだと。
たくさんの演劇仲間達からは、演劇に対する情熱と敬意の絶えない素晴らしい演目だったと。
初めて演劇に触れる方々からは、2時間があっという間で魔法にかけられたみたいな夢の様な時間であったと。
先日、サシ飲みにお誘い頂いた大先輩の大洋さんからは、世にある『真夏の夜の夢』の中でも確実に成功作の一つであると。
身に余る有難いお言葉、たくさん頂戴致しました。
本当にありがとうございます。
主に役者として活動して来た演劇人生ではありますが、また演出としてもより精進して参ります。
これからも観て下さった方々、関わって下さった方々が必ず満足する作品を生み出すと共に、興行的にも必ずヒットする作品を生み出してみせます。
今後も何かしら機会ございましたら、是非是非ご依頼の程、よろしくお願い致します。
お世話になった偉大なる演劇の先人達にも恥じぬ様、これからも一層精進致します。
本当にありがとうございました。