
初めて台本を最後まで読んだ時、僕は「この作品…、面白い」とひっそり感じました。
しかし、一本調子のストーリーとは少し違った今回の作品は、同時に「難しい」とも感じました。
稽古の初期は芝居よりギミックや転換稽古に主が置かれ。
皆でいろいろ「あーでもない、こーでもない」と模索する時間は僕も大好きで、物語にいろんな遊び心を加えたい気持ちで臨んでいたのです☆
BGMも徐々に決まっていった中で、末満さんの描きたい作品の方向性を掴み、芝居に熱が入るにつれ、「この芝居…面白い」が確信になって来ました。
ただ実際面白いと感じるかは、お客様次第なので、この作品の反応ってどうなんだろう?って気になってやまなかったのがあります。
幸い反応は上々で、末満さんの狙い通り、役者個人より作品自体への評価がよかったことが僕も嬉しかったです。
いい作品の一つの条件として、「演者が全員機能している」があるかと思います。
今回の『Mother』に関しては本当に誰一人欠けてもならない絶妙なバランスで物語は紡がれていた様に感じました。
その中でも一際、物語の熱量を高めてくれたのが、主演の前渕さなえさんです。
僕たちイマジナリーフレンドの造物主であり、空想上のお母さんでもあります。
返し稽古の段階でさえも、感情に制限を設けずに常にフルスロットルで臨まれました。
僕の終盤のセリフ「母さんの悲しむ顔だけはみたくない」を本気で導いてくれる温かく強く、愛らしいお母さんでした。
スイッチシーンで僕は下袖で待機してるのですが、サスを浴びながら涙をぼろぼろこぼす姿がたまりません。
常に役の心情を大切にする姿勢と、稽古場から真摯に作品と向き合う姿勢、そして板の下でも天然なパワーで愛らしく周りに接する姿勢。
また一人、僕の中で大好きな女優さんが増えました。
これからもご一緒する時は、どうぞよろしくお願い致します☆☆☆