〈前回までのあらすじ〉
穂乃果と花陽の戦いは、穂乃果の勝利に終わった。
しかし、二人の戦いを見ていた希は、穂乃果の辛勝とも言える戦い方に、違和感をおぼえていた。
希「う~ん、なんぼ考えても穂乃果ちゃんが、固有スキルを使わへんかった理由が見えてけえへんな・・・」
hiccory「お、どうした希?何か考え事か?」
希「オーナーはん」
hiccory「何か悩み事か?良ければ、話くらいは聞いてやるぜ?」
希「え、え~と・・・(ちょ、オーナーはん、近い!近いて!!)」
希「あ、あんな?さっき穂乃果ちゃんと花陽ちゃんの試合を見てたんやけど、穂乃果ちゃんが固有スキル使わへんかったんは、何でやろなって思ってたんよ」
hiccory「・・・そいつに気づいちまったか」
希「え?オーナーはん、何か知ってるん?」
hiccory「穂乃果はな、固有スキルを「使わなかった」んじゃねえ、「使えなかった」んだよ」
希「それって、どういう事なん?」
hiccory「穂乃果はな、固有スキルを持ってねえんだ」
希「嘘やん!スキルも無しにラブライブに出場して、優勝を勝ち取ってしもたん?」
hiccory「ま、そういうこった」
hiccory「穂乃果はな、自分だけが固有スキルを持たない事で、お前らに余計な心配を掛けたくなかったんだよ・・・だから、お前らにはその事を内緒にして、自分の技術と直感力だけで並みいる強豪達と戦ってきた。全ては、音ノ木坂を廃校から救いたいって思いだけでな」
希「穂乃果ちゃん・・・何で、ウチらにそんな大事な事、相談してくれへんかったん・・・ウチらは、そんなに信用できへんの・・・グスッ」
hiccory「・・・」
希「ううっ・・・うっ」
hiccory「希、そのままで良いから、俺の話を聞け」
hiccory「穂乃果は、お前らの事を誰よりも大切に思ってる・・・だからこそ、余計な負荷を掛けたくなかった」
「自分だけがスキル持ちじゃ無い事を皆が知ったら、自分の為に皆が無理をする・・・あいつはそんな事をさせたくなかった、それだけだ」
hiccory「穂乃果がお前らを信用してねえ、なんて事はあり得ねえよ、お前らの事を大切に思うからこそ、言えなかったんだと俺は思う」
希「・・・」
hiccory「穂乃果を信じてやってくれ、頼む」
希「ごめんオーナーはん、ウチちょっと頭冷やしてくるわ・・・」
穂乃果に固有スキルが無い事を知ってしまった希。
自分達に事情を話してくれなかった、穂乃果に対する希の思いは?
次回へ続く