Roger McGuinn | とりたちのこえをきく

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自分用メモと感想置き場です。The Byrdsとか好きです。

ロジャー・マッギン(紙ジャケット仕様)/ロジャー・マッギン
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1973年作品。
ロックン・ロールの錬金術師(って帯に書いてあった)、ロジャー・マッギンの記念すべきソロ第一作だよ。
マッギンのソロ作品で、気付いたら一番良く聴くようになっていた。
聴き終わった後感動して放心してしまう!というような傑作ではなくて、ああ良い音楽聴いたなぁーと爽やかな気持ちにさせてくれるアルバム。


ジャンル的には何だろう。ロックかな?
アルバムというひとつの作品の枠を逸脱しない程度に、バラエティ豊かな楽曲が詰まっている。そしてマッギンの、気負わず素直な歌い方。良いよねぇ。いつもこういう感じでお願いしたかった。
本人はどういう気持ちで作ったか知らないけど、無理にバーズからの脱却を図っているわけではなく、ちょっとこういう風にやってみたいなー的な仕上がりだとわたしは思った。


特徴としては先に述べたように、いろんなタイプの音楽をやっているのと、参加メンバーがやたら豪華なところ。
解散後&初期バーズ再結成で盛り上がっていたときの作品なので、いくつかの曲で、クロスビーをはじめとする再結成メンバーが参加している。後期メンバーがいないのは少し残念ではあるけど、まあ仕方ない。
他にもボブ・ディランやクリス・エスリッジ、バディ・エモンズ他見知った名前が多い。下でも個別に触れているのでご参照ください。


そしてカヴァーやトラッドを除き、ほとんどジャック・レヴィとの共作。
バーズのときから共作(もともと「栗毛の雌馬」などは、実現されなかったミュージカル用に作られた曲だったけれど)していて、今作以降もたびたび一緒に曲を作っている。


セルフタイトルのアルバムに相応しい、自身の肖像を使ったジャケットも素晴らしい。
シンプルなだけでなく、真ん中の大きいマッギンを囲むように小さいマッギンがいて、何もここまで主張しなくても…と少し感じる合計29マッギンは素晴らしい存在感を醸していますね。裏は枠の小マッギンが28マッギンで抜かりないよ。


そうだ。ブログ書いてて気付いたんだけれど、なんとマイケル・クラーク、ジョン・ゲアリン、ハル・ブレイン、ジム・ゴードンがドラム等で参加している上に(全員「バーズ」としてドラム経験あり)、ちゃんと誰がどの曲で叩いてるかクレジットされているので、上級者は聴き分けて楽しみましょう。わたしは聴いても分かりませんでした。
あ、ジョン・ゲアリンは解散直前に加入したから、アルバム録音は残されてないんだっけ。



01. I'm So Restless - Roger McGuinn / Jacques Levy
harmonica & vocals: Roger McGuinn
harmonica: Bob Dylan


02. My New Woman- Roger McGuinn / Jacques Levy
vocals & guitar: David Crosby
bass: Chris Hillman
drums: Michael Clarke
sax: Charles Lloyd
vocals: Gene Clark
guitar & vocals: Roger McGuinn


03. Lost My Drivin' Wheel - David Wiffen
bass: Leland Sklar
drums: Jim Gordon
guitar: Jerry Cole
guitar & vocal: Roger McGuinn


04. Draggin'- Roger McGuinn / Jacques Levy
guitars, moog & vocal: Roger McGuinn
sax: Charles Lloyd
ooos & piano: Bruce Johnston
bass: Chris Ethridge
drums: John Guerin
landing: Mercedes Benz


05. Time Cube - Roger McGuinn / R. J. Hippard
vocal, banjo & moog: Roger McGuinn


06. Bag Full Of Money - Roger McGuinn / Jacques Levy
steele: Budd Emmons
piano: Bruce Johnston
harmony: David Crosby
bass: David Vaught
guitars, vocals, moog: Roger McGuinn


07. Hanoi Hannah - Roger McGuinn / Jacques Levy
guitar & vocal: Roger McGuinn


08. Stone - Spooner Oldham / Dan Penn
organ & piano: Spooner Oldham
drums: John Guerin
vocals: The Jimmy Joyce Children's Chorus
vocal: Roger McGuin


09. Heave Away - traditional arr. Roger McGuinn
vocal: Spanky McFarlane
bass: David Vaught
guitars & vocal: Roger McGuinn


10. M'Linda - Roger McGuinn / Jacques Levy
Percussion: Hal Blaine
bass: David Vaught
Guitars, moog & vocals: Roger McGuinn


11. The Water Is Wide - traditional arr. Roger McGuinn
steele: Buddy Emmons
drums: John Guerin
bass: David Vaught
piano: Bruce Johnston
harmony: David Crosby
tambourine: Hal Blaine
guitars & vocal: Roger McGuinn


--- Bonus Tracks ---


12. John, John - traditional
13. Jamaica, Say You Will - Jackson Browne


ヘーイミスターD、で始まる01では、ミスターDがハーモニカを吹いている。マッギンもハーモニカ&ボーカルで名前を連ねているから、もしかしたら冒頭部だけディランなのかな。
再結成メンバーが全員参加している02は、チャールズ・ロイドのサックスも加わり、珍しくジャズ風。メンバーがメンバーなので「バーズ」を期待してしまうけど、全く懐かしさを感じさせない曲。


03と06はFarther Along、12はByrdmaniaxでもやった曲だけど、納得いってなかったのか?ソロでやり直している。どれもバーズ版と似たようなアレンジだけれど、06はこちらのほうが断然良い!!!三拍子のマッギン流カントリーロック。サビでいかにもクロスビーなハーモニーが加わるのも面白いし、韻を踏んだ歌詞が気持ちよい。


04にて、思いっきりビーチボーイズ風のコーラスをつけているブルース・ジョンストンは、他の曲でもピアノを弾いていて、結構アルバムに関わっていたみたいだね。というかこの曲、ベンツまでクレジットされてる(笑)


ボーカル&ハーモニー:オレ、作詞作曲:オレ、バンジョー&ムーグ:オレ、という清清しいまでオールマッギンな05は独特で、アルバム中浮いてると言えば浮いているけど、マッギンらしい曲だなぁと思った。聴いていると引きずり込まれる。


素朴な07と12も意外とマッギンに似合う。
前者はブルース風で後者はアコギ弾き語り、どちらも違ったニュアンスで切々と歌い上げている。
スプーナー・オールダム&ダン・ペンの08では、瑞々しい子供らのコーラスが入っている。


マッギンの好きな海の唄系トラッド09と11も良い。09は後に再録しているし、11はバーズのライブレパートリーに入っていたというので、定番なんだろうな。
スパンキー・マクファーレンのヴォーカルは初めて聴いたんだけれど、よく通る声で素晴らしい。
うってかわって10は南国(?)風。