The Flying Burrito Bros | とりたちのこえをきく

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自分用メモと感想置き場です。The Byrdsとか好きです。

フライング・ブリトウ・ブラザーズ +8(紙ジャケット仕様)/フライング・ブリトウ・ブラザーズ
¥2,800
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1971年発表、3作目。
リック・ロバーツの加入により、ウェストコーストロック風の爽やかさが際立ったアルバム。
良かったね、どっからこんな曲も書けて歌える人見つけてきたんだろう?新加入だけれど、曲作りの点ではかなり尽力している。
とにかくリック・ロバーツの作風と歌声にひっぱられたような、清涼感溢れる新生ブリトウズが出来上がった。


メインに据えていたグラム・パーソンズの脱退により、そのサウンドは大きく変化したと言われているけれど、カントリー・ロックの範疇は逸脱しておらず違和感は感じない。と自分は思うんだけれど…。(多分、自分の頭には常に比較対象にバーズがあるからだな)
まあ、明らかに前作2枚とは趣が違うけれど、やっぱりブリトウズの作品だなと思わせるものがある。
どちらが好きかと問われたら、リック・ロバーツ加入後の爽やかさも捨てがたいが、グラム・パーソンズのいた頃のほうがとんがっててそちらのほうに軍配が上がる。この記事でわざわざ書くことじゃなかった。


このアルバムの聴きどころは、ロバーツの自作曲!と言いたいけれどそれを差し置いても「Here Tonight」だね!オリジナルアルバムには収録されていないので、ボートラ付き盤をぜひ買うべきだ!!!(Here Tonight含め8曲も追加されてるしね)
他にもジーン・クラーク自作曲のカヴァー「Tried So Hard」もあるので、ファンは大喜びしてください。
グラム・パーソンズ脱退後、ブリトウズのギグによくジーン・クラークが参加していたそうだ。
バンド加入にまで至っていたら、どうなってたのかなぁ。


演奏のほうは、前作より調子があがっているように聴こえる。
そして優しい歌声のリック・ロバーツのおかげで、ヒルマンの歌声が男くささが上がった。良い感じ。
曲作りに関しては、ヒルマンの単独作やバーニー・レドン作のものがないのが寂しい。
(ヒルマンは、グラム・パーソンズが抜けた後の調整等に心砕いてたのかもしれない)


ジャケットも、青色の落ち着いた雰囲気で良いし、全メンバーのご尊顔も拝めるよ。
ヒルマンが、楽しそうなおっさん二人組を殴りたそうに見えます。
ジャケ写人物は左から、バーニー・レドン、スニーキー・ピート、リック・ロバーツ、クリス・ヒルマン、マイケル・クラーク。




Ghris Hillman: vocals/bass
Rick Roberts: vocals/rhythm guitar
"Sneeky" Pete Kleinow: pedal steel guitar
Michael Clarke: drums
Bernie Leadon: lead electric and acoustic guitar/banjo


Earl Ball: piano (01,03)
Mike Deasy: guitar (06)
Bob Gibson: acoustic 12-string (03)

featuring Gene Clark (12)

producers: Jim Dickson & Bob Hughes



01. White Line Fever - Merle Haggard

 (ホワイト・ライン・フィーヴァー)

 リードボーカルはヒルマン。
 一曲目から、伸びやかな歌声と演奏を聴かせてくれる。
 マール・ハガードの曲なので、ライブなどではグラム・パーソンズも歌ったのかな?


02. Colorado - Rick Roberts

 (コロラド)

 リードボーカルはロバーツ。
 さすが自作曲、朗々とした歌いっぷりは曲に合ってる。


03. Hand to Mouth - Chris Hillman / Rick Roberts

 (ハンド・トゥ・マウス)

 リードボーカルはヒルマン。ピアノが素敵。


04. Tried So Hard - Gene Clark

 (トライド・ソー・ハード)

 リードボーカルはヒルマン。アルバム一爽やかなサウンド。
 ジーン・クラークのカヴァー。彼のバージョンよりもアップテンポで洗礼されている。
 歌も演奏も最高のコンディションで録音されたに違いない、と思わせるような仕上がり。歌詞はジーン・クラークらしく爽やかとは言えないけれど。
 ちなみにジーン・クラークがコーラスで参加してるとかしてないとか、いろいろそういう話があるそうな。


05. Just Can't Be - Chris Hillman / Rick Roberts

 (ジャスト・キャント・ビー)

 リードボーカルはヒルマン。
 久々に、歪んだスティールギターの音が聴ける。


06. To Ramona - Bob Dylan

 (トゥ・ラモーナ)

 リードボーカルはヒルマン。ワルツ調のゆったりとした曲。
 どうして今ここでディラン?と思ったら、ジム・ディクソンが勧めたのか。


07. Four Days of Rain - Rick Roberts

 (雨のおかげで)

 リードボーカルはロバーツ。
 他の曲とはちょっと色が異なるような気がする。リック・ロバーツ本来の作風なのかな。


08. Can't You Hear Me Calling - Chris Hillman / Rick Roberts

 (バーに行こう)

 リードボーカルはヒルマン。あんまり印象に残らない曲だけれど、演奏は好き。


09. All Alone - Chris Hillman / Rick Roberts

 (ひとり淋しく)

 リードボーカルはヒルマン。
 多分ギター?だと思うけれど、マンドリンに似たかわいい音を曲に添えている。


10. Why Are You Crying - Rick Roberts

 (ホワイ・アー・ユー・クライング)

 リードボーカルはロバーツ。
 ギターとバンジョーのみのシンプルな演奏が、最初は物足りなく感じていたが、聴き込むうちに素敵だなーと思うようになった。
 寄り添うような歌詞もまた良い。



--- Bonus Tracks ---



11. Tried So Hard - Gene Clark

 (トライド・ソー・ハード)

 04のシングルヴァージョン。そちらより若干重たく、垢抜けない感じがする。コーラスがマイルド。
 初期のバーズを思い出しちゃう。


12. Here Tonight - Gene Clark

 (ヒア・トゥナイト)

 リードボーカルはジーン・クラーク!主役はジーン・クラーク!
 甘くて優しい雰囲気の曲。すばらしい。
 彼のアルバム「Roadmaster」でも聴けるよ。
 ブリトウズのCD聴いてるはずなのに、突然ジーン・クラークの声が聴こえたときはびっくりした。(ブリトウズのアンソロジーで初めて聴いたので)


13. Payday - Jesse Winchester

 (ペイデイ)

 リードボーカルはヒルマン。面白い曲調。


14. In My Own Small Way - Rick Roberts

 (イン・マイ・オウン・スモール・ウェイ)

 リードボーカルはロバーツ。
 おなかでも痛かったのか?というか、遠慮したような歌声で、曲の勢いを欠いてるように思う。
 リック・ロバーツのソロ「Windmills」で再演されているバージョンのほうが、シンプル。


15. Feel Good Music - Rick Roberts

 (フィール・グッド・ミュージック)

 リードボーカルはロバーツ。
 爽やかで健康的な香りがする。


16. Beat the Heat - Peter Kleinow

 (ビート・ザ・ヒート)
 たのしいインスト。
 ライブでは良く演奏していた模様。後に出たスニーキー・ピートのソロ作バージョンは、これよりさらにアップテンポで軽快。
 ボーナストラックの順番にいちゃもんつけるのどうかと思うけど、これ最後にしてほしかったなぁ。(リック・ロバーツの曲を続けて聴きたい)


17. Did You See - Rick Roberts

 (ディド・ユー・シー)

 リードボーカルはヒルマン。


18. Pick Me Up on Your Way Down - Harlan Howard

 (ピック・ミー・アップ・オン・ユア・ウェイ・ダウン)

 リードボーカルはヒルマン。落ち着いた声が好き。
 ピアノは誰の演奏かな?
 リック・ロバーツは「Windmills」で再演している。フィドルや女性ボーカルも加わって、やっぱり爽やか。