- ロデオの恋人/ザ・バーズ
- ¥1,785
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1968年作品、6枚目。カントリーロックの傑作と言われているこのアルバムだけれど、出た当時はあまり売れなかったそうだ。
カントリーロックというか、カントリー全開。
どうしてこんなことになったかというと、グラム・パーソンズの加入によるものが大きい。
前作を作り終えた後、2羽になってしまったバーズが新たに加入させたのが彼とケヴィン・ケリー。どちらもこのアルバムのみで去ってしまったけれど、バーズに残した「ロデオの恋人」の功績はでかいぞ!(まあ主にグラム・パーソンズ)
ここではなぜか、新加入のパーソンズが主導権を握っている。
お好きなようにやらせてあげてるのか。
次々とメンバーの首をちょん切っていったマッギン、独裁的だと思っていたけれどそうでもなかった。
このあとのアルバムなども眺めてると、わりと民主主義なんだなぁ。
この作品はアナログやCDで、様々なバージョンがこれでもかと言うほど発売されている。
自分はボーナストラック入りの国内盤CDと、2枚組みのレガシイエディションを持っているので、ここでは両方取り上げたい。
GPだいすきさんや、レコーディングの様子を聴いてみたい人は、2枚組みのを買ったほうがいいよ。パーソンズの未発表ボーカルが多数収録されているので、マッギンやヒルマンバージョンと聴き比べると、なるほど面白い。
多数というかほぼ独擅場。
前バンドの契約上、パーソンズのボーカルのいくつかはマッギン・ヒルマンに差し替えてリリースされたおかげで、今日は両バージョンを聴くことができてありがたいね。涙が出るわ。
全体として一色に統一されていて、自分にとっては構えず聴ける好きなアルバムです。
楽しく和やかな気持ちにさせてくれる。
ジャケットは、Jo Moraというウルグアイ出身のアメリカ人イラストレーター作だそうな。
このアルバムのための絵ではなく、1932年に描かれたポスター「The American Cowboy Rodeo(a.k.a. Sweetheart Of The Rodeo)」をいじって一部をジャケにした模様。中央と周りの線の太さに違和感を感じてたので、そうだったのかと思った。
ところで、キーボード枠で採用されたパーソンズくんは、実際弾いてたの?結局ギターだけだったのか?
いつものクラレンス・ホワイトや、ジョン・ハートフォード、よく見たらジョン・コーネルも参加している。
Chris Hillman: bass/mandolin/vocals
Kevin Kelly: drums
Roger McGuinn: 12-string guitar/banjo/vocals
Gram Parsons: guitar / vocals
Earl P.Ball: piano
Jon Cornel: drums
Lloyd Green: steel guitar
John Hartford: banjo/guitar
Roy M.Huskey: bass
Jaydee Maness: steel guitar
Clarence White: guitar
producer: Gary Usher
engineer: Roy Halle, Charle Brag
ボートラ入り国内盤
01. You Ain't Goin' Nowhere - Bob Dylan
(ゴーイング・ノーホエア)
リードボーカルはマッギン。
どうしても盆踊りっぽく聴こえる。絶対これで踊れるよ。
完成度の高いカバー。
02. I Am a Pilgrim - Roger McGuinn / Chris Hillman (Traditional)
(私は巡礼)
リードボーカルはヒルマン。フィドルが良い。
ヒルマンの声は清らかだなぁ。
03. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
(クリスチャン・ライフ)
リードボーカルはマッギン。
パーソンズ風な歌い方なのが笑える。かわいいじゃないか。
04. You Don't Miss Your Water - William Bell
(涙の涸れるまで)
リードボーカルはマッギン。
05. You're Still On My Mind - Luke McDaniel
(思い焦がれて)
リードボーカルはパーソンズ。
存在感抜群なボーカルと、それに応酬するようなホンキートンクピアノが好き。
06. Pretty Boy Floyd - Woody Guthrie
(プリティ・ボーイ・フロイド)
リードボーカルはマッギン。バンジョーやマンドリンがいい!
アルバム中、一番のマッギンはまり曲だと思う。聴いていてにぎやかで楽しい。
07. Hickory Wind - Bob Buchanan / Gram Parsons
(ヒッコリー・ウィンド)
リードボーカルはパーソンズ。
わたくしの故郷は神奈川県なんですが、思わず郷愁にかられる佳曲。
アルバムのハイライトじゃないでしょうか。最初のほうにうっかり入る、どなたかの咳なんて大した問題じゃないね。
08. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
(100年後の世界)
リードボーカルはヒルマン。続いて気持ちを和ませる。
09. Blue Canadian Rockies - Cindy Walker
(ブルー・カナディアン・ロッキー)
リードボーカルはヒルマン。
この頃のヒルマンに合った、牧歌的な曲。好き。カナディアンロッキー見てみたいなぁ。
10. Life In Prison - Jelly Sanders / Merle Haggard
(監獄暮らし)
リードボーカルはパーソンズ。伸びがあって良いよねえええ
のんきな曲調で好き。歌詞は全くのんきじゃないけど。
11. Nothing Was Delivered - Bob Dylan
(なにも送ってこない)
リードボーカルはマッギン。
--- Bonus Tracks ---
12. You Got a Reputation - Tim Hardin
(レピュテイション)
リードボーカルはパーソンズ。
カントリー色はそんなに強くないが、従来のバーズ色が強いかな?
13. Lazy Days - Gram Parsons
(けだるい日々)
リードボーカルはパーソンズ。冒頭に彼の声によるカウント入り。
この曲でギターやってるの誰なんだろう。
14. Pretty Polly - Chris Hillman / Roger McGuinn
(かわいいポリー)
リードボーカルはマッギン。地味なアレンジ。
15. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
(クリスチャン・ライフ)
リードボーカルはパーソンズ。03の別バージョン。
冒頭にメンバーの会話が入っている。マッギンとパーソンズの声は分かるけど、後はヒルマン?と誰かなぁ。
16. Life In Prison - Jelly Sanders / Merle Haggard
(監獄暮らし)
リードボーカルはパーソンズ。10の別バージョンで、イントロやテンポが違う。
どっちかというと、マスターテイクのほうが好きだ。
17. You're Still On My Mind - Luke McDaniel
(思い焦がれて)
リードボーカルはパーソンズ。05の別バージョン。
18. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
(100年後の世界)
リードボーカルはパーソンズ。08の別バージョン。
やっぱりパーソンズが仕切っている。
ヒルマン版よりもヴォーカルに念がこもってるよね(全体的に彼の歌はそうだな)
曲の後に会話が入ってるよ。
19. All I have is memories - Kevin Kelly
(すべては思い出)
インスト。曲の後にCMが入っておるよ。何これバーズ?みたいに言ってると思う…多分…。
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2枚組みのLegacy Edition
Disc 1:
01. You Ain't Goin' Nowhere - Bob Dylan
02. I Am a Pilgrim - Roger McGuinn / Chris Hillman (Traditional)
03. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
04. You Don't Miss Your Water - William Bell
05. You're Still On My Mind - Luke McDaniel
06. Pretty Boy Floyd - Woody Guthrie
07. Hickory Wind - Bob Buchanan / Gram Parsons
08. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
09. Blue Canadian Rockies - Cindy Walker
10. Life In Prison - Jelly Sanders / Merle Haggard
11. Nothing Was Delivered - Bob Dylan
上記のものと同じ。
12. All I Have Is Memories - Kevin Kelley
リードボーカルはケヴィン・ケリー!
甘くて爽やかなお声じゃないか。これが埋もれてたのはもったいない。
13. Reputation - Tim Hardin
14. Pretty Polly -Roger McGuinn / Chris Hillman
15. Lazy Days - Gram Parsons
上記のものと同じ。
16. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
リードボーカルはパーソンズ。
演奏が若干、がちゃがちゃしてるように聴こえるし。あと気取ったボーカル。
17. You Don't Miss Your Water - William Bell
リードボーカルはパーソンズ。
ここでのボーカルはさえない感じ。(単に自分の好みじゃないだけかも)
18. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
リードボーカルはパーソンズ。
マスターテイクよりも、ボーカル・演奏が軽やか。ドラムがよい。
19. radio spot: Sweetheart Of The Rodeo album
上記のものと同じ。
Disc:2
01. Sum Up Broke - Gram Parsons / John Nuese
02. One Day Week - Gram Parsons
03. Truck Drivin' Man - Terry Fell
04. Blue Eyes - Gram Parsons
05. Luxury Liner - Gram Parsons
06. Strong Boy - Gram Parsons
上記はThe Byrdsではなく、The International Submarine Bandの曲。
ご存知グラム・パーソンズが、バーズより前に在籍していたバンド。
軽快なロックや、カントリーの味付けをされたロックをやっているよ。01~03は、ここで初めて聴いた。
04の曲が好きで、仕事行く前に聴くと少しだけやる気が出る。
07. Lazy Days - Gram Parsons
リードボーカルはパーソンズ。ハーモニーをつけているのがヒルマンだし、ブリトウズっぽい。
(ブリトウズで再演した)
08. Pretty Polly - Chris Hillman / Roger McGuinn
リードボーカルはマッギン。
マスターテイクよりもさらに演奏はシンプルで、きれいな歌い方。
09. Hickory Wind - Gram Parsons
リードボーカルはパーソンズ。声が低い。
10. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
リードボーカルはパーソンズ。演奏を何度もやり直してるところから収録されている。
11. The Christian Life - Charlie Louvin / Ira Louvin
リードボーカルはパーソンズ。
12. Life In Prison - Jelly Sanders / Merle Haggard
リードボーカルはパーソンズ。
13. Life In Prison - Jelly Sanders / Merle Haggard
リードボーカルはパーソンズ。これ好き。
14. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
リードボーカルはパーソンズ。
15. One Hundred Years From Now - Gram Parsons
リードボーカルはパーソンズ。ギターが目立ってて良い(多分クラレンス・ホワイト)。
16. You're Still On My Mind - William Bell
リードボーカルはパーソンズ。
17. You're Still On My Mind - William Bell
リードボーカルはパーソンズ。
18. All I Have Is Memories - Kevin Kelley
インスト。
19. All I Have Is Memories - Kevin Kelley
インスト。
20. Blue Canadian Rockies - Cindy Walker
リードボーカルはヒルマン。
冒頭でちょっと口ずさんでいるのはマッギンかな?
このリハーサルバージョンも良い。