JRAでは競馬場やWINSの入り口にレーシングプログラムという当日開催のレースの出走馬の枠番馬番、騎乗ジョッキー、負担重量、オーナー、調教師の一覧を冊子にして置いてある。JRAに限らず、公営ギャンブルを発売しているところでも1開催場毎にA3用紙に全レース分置いてある。競輪、競艇の場外だと複数の開催場があるので目当ての場を探すことになる。

レーシングプログラムを取る人取らない人は様々だが、ちゃんとマーケットが存在していてメルカリでは1冊300円ぐらいで無料でもらえる物で稼いでいる人がいる。これには原因があってJRAのレーシングプログラムは競馬場で配っているものとWINSで配っているものが違い中身は一緒なのだが競馬場で配っているものはコート紙のカラー印刷の表紙が付いている。コレクションするにはカラー表紙のある方がいいからタダの物で商売が成り立つのだろう。



今年の金杯の日、レーシングプログラムを手に取った時に違和感を感じた。手触りが明らかに薄いのである。新年競馬は中山、京都の2場開催なので3場開催に比べページ数が少ないせいかなと思ったが、レーシングプログラムに馬体重と入着順を競馬民必携のぺんてるのサインペン赤で書いて次のページ開いたら綺麗に赤色が裏写りしていた!そうJRAはレーシングプログラムの紙を2026年から米坪(1㎡の紙の重さ)を小さくしたので薄くなっていたのである!

JRAの2025年の売上は約3兆5000億円で14年連続で前年より伸長しているのに、いくら無料で配布している物とはいえ儲かっているんだからコストカットしなくてもいいのにと思ったのだが、もしかすると製紙業界の事情の影響があるかもしれないと思った。

現在製紙業は非常に厳しい環境に置かれている。ペーパレス化、デジタル化の進行に加え、安定した販売量と生産量で工場の稼働を支えていた新聞と書籍、雑誌部数が年々減少している。新聞のページは少なくなり、週刊誌はほぼ500円、文庫本も900円なというのもざらにある。少年ジャンプは320円と頑張っているが紙は昔に比べ驚くほど薄くなっている。コンビニでジャンプを手に取ってパラパラめくるが紙が薄くて裏のマンガのインキが透けて見えて黒っぽいのを気づいている人多いのではないだろうか。新聞出版各社はコストダウンのために薄い紙を製紙会社に要求しているそうだ。薄い紙は原則として原料のパルプ量を減らしているので原価を下げることが出来る。もちろん30年ほど昔では難しかったが技術革新も進み可能になった。

主要な取引先である新聞、出版業界が厳しいとなれば当然製紙業界も非常に厳しい環境である。通販が好調なので段ボール関連は堅調だが地球温暖化対策で製紙用燃料ボイラーの燃料を石炭から天然ガスに切り替えが盛んに進行中である。このコストは製品価格に乗せにくいコストということと生産量と売上金額のベースである、新聞出版が先細化している環境でさらに厳しさが増している。

我々が普段目にして使う紙製品の代表といえばティシューとトイレットペーパーだと思う。これらも常に軽い紙、薄い紙を使うように製品を改良(?)してコストダウンを図ってきた。最近、クレシア、エリエールを始め古紙トイレットのメーカーも2倍巻き3倍巻きのトイレットペーパーを発売している。ティシューのカートンのコンパクト化は以前から始まっている。ティシューの方のきっかけはカートンを小さくしてケース当たりの入数を増やして物流費のコストダウンも目指していたことだったが、ティシューの売価が下がり200wから180wへの入数変更と150w製品の投入という流れになった。この倍巻きやコンパクトカートンにするにあたってメーカーが何をしたのかといえば、原紙を軽く薄くすることにした。以前はカートンの高さが8.5〜9cmだったが現在は約6.4cmほどになっている。





トイレットペーパーもロールの幅が114㎜だったが現在では107㎜が増えてきた。紙が薄くなりロール幅も狭くなったのでトイレットペーパーのパックもか細くなり立っている姿もどこか弱々しく見える。

レーシングプログラムの紙が薄くなったのはJRAのコストカットでは無くて、今まで使っていた用紙が廃番となって代替に提案された用紙が今手にしている紙だったのかとも思った。