不思議なことだが東北では秋の祭りがあまり盛んでない気がする。旧村単位とか集落単位ではやられているようだが全市規模で全国的に有名な秋祭りを聞いたことが無い。東北は仙台七夕や青森ねぶた、秋田竿燈に代表されるように旧暦の七夕関連の祭りが多い。これは8月が比較的に農閑期で大規模な祭りの準備が出来るからなのだろう。私が子供の頃は田植えと並んで稲刈りも大人数で何日も行う作業だった。稲を刈る、刈った稲をはさ掛けして、脱穀して農協に出荷するまで10日〜2週間かかっていた。とても秋祭りをしている時間は無かったと思う。今はコンバインでそれを数時間で出来てしまうので、農家さんは暇を持て余してパチンコ屋さん通いしていて駐車場を満杯にしているが。
北関東に10年ほど住んでいたが、北関東は大規模な秋祭りが多く盛んな気がする。その中でも5年住んでたこともあるが「川越まつり」が最高の秋祭りの1つだと思う。首都圏屈指の観光地である川越の最大の祭りである。
川越に住むことになって、有名な小江戸通りに行ったが、通りに電線が無く、信号が変な形だったが、川越まつりの巨大な山車を通すための仕様だったことにまつりを観に行って気付いた。通りが山車を通行させるために電線は地中化され信号は歩道側に折り曲げられる滅多に見ない信号にするほど川越まつりは特別な祭りなのだろう。30台の山車が道一杯に灯りを照らされ通る光景は何年観ても壮観である。個人的には夜の祭りでは秋田の竿燈よりはるかに上に評価している。
祭りといえば、露店が名物であるし付き物だと思うのだが、現在のコンプライアンスでは出店しにくい時代になってしまった。的屋と呼ばれる人達が出す露店が子供にとって祭りの魅力の最大のものの1つであったことは否定出来ないと思う。毎年子供心をくすぐる商品を並べていた。一応売る物を担当するランクがあって、1番下はお面やヨーヨー、クジ物で次がわたあめ、チョコバナナ、タコ焼き、焼きそばの口に入る物、その上が啖呵で売っていく物、寅さんはこのランクである。そして最高ランクが飴細工、飴を和鋏を使って鳥や動物、植物を作って売る商売だそうだ。仙台七夕祭りや青森ねぶたにはゆっくり行ったことが無いので分からないが啖呵売や飴細工の店に出会ったことは無いが川越まつりには出店していた。小江戸通りから2本外れた小道の街灯も照明も少ない通りに20cmもの細かい細工の竜や鶴が飾ってあって5,000円の値札の飾りを置いていて、的屋さんと思えない白髪頭のお爺さんが小さな猫や犬やウサギを作っていた。暗い裏通りで立ち止まる人も少なかったが、何人かがちょっと離れた場所から眺めていた。そんな職人技が出来る大物が出張る祭りである川越まつりが相当重要な祭りであるという証明なのではないだろうか。


