向田邦子さんのエッセイに出会ったのは高校2年の旺文社模試の現代国語の長文問題だった。それから「父の詫び状」から買い始めて文庫版ではあったが全冊買って読んだ。向田さんのエッセイでは自分の勘違いやしくじりが度々ネタにしていた。
向田さんは映画雑誌の会社のライターから社会人を始めた。小さな会社だったので記事を書くこと以外にもあらゆる業務もこなしたそうで、印刷の最終チェックまでしたそうだ。向田さんが人気脚本家になって印刷物を見るたびに情け無いと思うことがあった。最近の印刷物はズレが酷い、特に印刷された人物の目を見ればズレがいかに酷いかが分かる。ある日出版社の後輩に印刷物の版のズレが酷いと忠告したら「向田さん眼鏡をお作りになったらいかがですか」とやんわりと諭されたそうだ。諭された通り老眼鏡を作ってみて印刷物を見たら人物の目は綺麗に合っていた、邦子は老眼だったという話しだった。
ここのところ1日50kmぐらい車を走らせていた。13号線、107号線、105号線、108号線を走りそれをつなぐ県道や市道、町道を走った。豪雪地は冬に除雪車がアスファルトを削りながら除雪をするので雪が消えると道路がガタガタになる。秋ごろに予算が通って本格的な舗装工事が始まるがそれまでは穴の空いたところを数時間で埋めておくのだがそれが下手すぎる。とにかく車が揺れる。埋めただけで水平をとっていない。昔はこんなことは無かったのだが、最近の工事業者はただ穴を埋めればいいとばかり適当な仕事をするんだと思っていた。
1年点検の案内がディーラーから来たのでエアコンの調子も悪くて燃費もガタ落ちしていたのでちょうどいい機会と思って点検に出した。確かにエアコンは外気導入と内気循環の切替の部品が壊れていたが、それより左側前輪の異音が問題があると指摘された。いつもなら半日で済む1年点検が3日の入院となってしまった。結果は左前輪が経年劣化でいつタイヤが外れるか分からないまでになっていて来年の車検まで持たないほどだったそうで結局22万円の修理代になってしまった。
3日間の入院を経て愛車に乗って見れば、それまで走っていた道はガタガタが全く無くスムーズに走ることが出来た。なんのことはない、工事業者さんの手抜きなど全く無く我が車の足回りが劣化していたのだった。下手くそな工事しやがってと思いながら走っていたのは勘違い以外の何物でもなかった。なんともお恥ずかしい話である。
