数年前までウイスキーブームによる原酒不足で店頭から消え、会員限定の抽選販売でしか定価で買えず異常な転売価格でしか買えなかった、サントリーの山崎、響。ニッカの余市、宮城峡が数本づつながら専門店や普通のスーパーでも定価で買えるようになった。



メーカーが予想もしないほどのウイスキー人気の末にシングルモルト•ピュアモルトをボトリングできないほどに原酒不足になってしまったのだが、それでも普通に売られているローヤルやリザーブ、スーパーニッカやフロンティアなどのブレンデッドウイスキーは店頭から消えはしなかった。つまり原酒が無くなったわけではなくブレンデッドウイスキーの製造をするにはモルトウイスキーが不足気味だったということで、ブレンデッドウィスキーの生産量を減らしてまで敢えてシングル•ピュアモルトウイスキーをボトリングしなかったということである。



もうひとつ問題があって、サントリーやニッカのシングルモルトの8年とか12年という熟成年数の原酒だけでボトリングされたウィスキーが投機の対象になってしまったことである。飲まれることも無く味わわれることも無いウイスキーが投機される物となったことで価格が高い=美味いとなってしまいシングルモルトは美味いウイスキーという勘違いが生まれてしまった。シングルグレーンモルトの知多までガラスケースに鍵付きでガラスショーケースに飾られ事態まで起きた。

ここでもう一つの勘違いがあって、シングルモルトは美味いウイスキーではない。言葉を変えれば万人が美味いと感じるウイスキーでは無い!あまりにも個性が尖ったウイスキーなのである。ウイスキーを好んで呑む人がその個性や違いを楽しむものでありウイスキーのアルコールに陰にある果実の香りや泥炭のスモーキー具合を味わうものである。

現在のウイスキーはハイボールで親しまれている。ハイボールで味わうのならシングルモルトである必要は無い。そもそも何故シングルモルトのボトリングを減らしてもブレンデッドウィスキーを作り続けたかといえばブレンデッドウィスキーの方が万人の口に合いやすいためである。



カレーで例えると分かりやすいが、インドの本場で食べられているカレーを日本人が美味しく食べられない。インドで普通の家庭で食べられているカレーは4、5種類のスパイスで作られているそうだ。それでは4、5種類のスパイスが個々の個性を主張して誰もの口に合うものではない。カレーがイギリスに渡ってからイギリス人の口にも合うようにヨーロッパのスパイスがブレンドを重ね、現在食べられるカレーになっていった。

今世界中で愛飲されるウィスキーは数種類のモルトウィスキーとグレーンウイスキーをブレンドして作られている。個性は様々ではあるが飲みやすいものになる。ジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガルなど誰が飲んでも美味しく飲むことが出来るであろう。美味しく飲めるウィスキーは世界中、日本中で売れる商品となる。何も特定のコアなウイスキー好きが好む少ししか売れないウイスキーをわざわざボトリングして売る必要は無かった。

アルコールのシェアでいえばウイスキーにおける日本のマーケットは金額ベースで大きくはない。山崎を作るよりローヤル、リザーブ、オールドを売った方が会社経営で向くのは間違いはない。

山崎や響、余市や宮城峡をストレートやロックで飲むことを覚えれば、7,000円を出して買っても惜しくない、さらにジョニーウォーカーやシーバスリーガルが棚にあればウィスキーと薔薇の日々が過ごせるだろう🥃