統合ワーク、お盆期間もやってます。



以前、天職コンサルタントで生成発展アクティベーターの梅田幸子さんに聞いてみたことがあります。



「サックスの上達のために、統合すると特に効果のある反射はどれでしょうか?」



幸子さんは「うーん…全部なんだよねー」と。

と言いつついろいろ考えて、でもやっぱり、全部なんだよ、と。

というのが、楽器演奏は総合力だから。

それで、その時点の私が出来る手技の中で、コツコツやるのがいいんだろうな、と、土台となる固める反射、モロー反射の統合に、脊髄ガラント反射、時々足ぷろ(人にやってあげるVer.)も織り交ぜながら過ごしていました。



そして、2023年。

コア・アクティベーション手技マスタークラス、原始反射コア講座で首の上下・左右・前後、モロー反射、手の反射、口の反射を学んだら、自分が苦手な運指や緊張した時にやりがちなミスの原因の中に、反射由来のものもあるとわかって小躍りしましたね。

で、実際に統合ワークの中に活かしてみたら…



あー確かに全部だわ…!!



と分かったのでした。

ちょっと、私の気付いた中ではありますが、管楽器の演奏に必要な項目ごとに、統合したい反射をざっと書いてみます。

(これで全部ではありません、身体は全部繋がっているし同時多発的に発達していくので)


ちなみに、固める反射・モロー反射は、その後に出現する原始反射を統合するために真っ先に統合しておきたい反射です。

どの反射の統合から始めてもいいけれど、この2つの反射は無視出来ません。土台だから。

例えば、運指のために手の反射の統合をしたい、というのは、間違いではないけれど正解でもない。

実はそれ以前の、固める反射で背面・肩や腕、指が動かしにくい場合もあります。

指がガチガチなのは、モロー反射で力加減が出来ないせいかもしれない。


また、原始反射は、人間が生きて行くための身体機能を獲得するために、必要なものです。

適切に出現し、統合されることが望ましい。

統合されずに残っていることが、困りごとに繋がることもあるので、だったら育てて卒業(統合)しましょう、というのがこの記事の趣旨です。

だから出来ない、ではなく、だったら育てよう、という方向でご理解頂けると嬉しいです。


  ブレス


ブレス。呼吸。

鼻呼吸の出来ない学生さん、増えてます。

最近聞いたら大人にも口呼吸の人、多いのね。


楽器演奏において、ブレスの時に鼻呼吸を単体で使うことはないけれど、私の体感では鼻も口も両方使う感覚があります。

口呼吸だけで息が足りるならいいけど、私には口だけのブレスでは、圧倒的に息が足りない。


統合したいのは特に


固める反射

モロー反射


を統合したい。

これが全てではないけれど、重要な土台です。

腹式呼吸、胸式呼吸、どちらも身体の前面をイメージさせる名称ですが、実際には、呼吸時には背面も使います。

固める反射は背面をガチっと固めますので、背面を使いづらいのです。

自ずと、呼吸は浅くなります。

もちろん努力して演奏出来ている方は居ますが、頑張らないと充分なブレスができないので、そこで力を消耗してしまう。

この力を演奏技術の方に回せたなら…!!

モロー反射が活性化すると、呼吸は速く、浅くなりがちです。

発表会、演奏会、実技試験などで緊張した時、息が足りないと感じたことはありませんか?

練習の時には余裕だったロングトーンが、本番ではアップアップだったり。

もしかするとそれは、反射の影響なのかもしれません。

他に関係のある反射として、手の反射(バブキン反射)があります。


  姿勢


サックスを吹く時の演奏スタイルには、


座奏

立奏


があります。

立奏でも座奏で特に統合しておきたいのは


・固める反射

・モロー反射

・脊髄ガラント反射

・首の反射

・足の反射

・手の反射


ですね。

特に首の上下の反射は、二本の脚で地面を踏んで安定的に立つのに必須ですし、ブレスをしっかり取るのに固める反射はぜひ統合しておきたい。

立奏だけでなく、座奏の場合も、首の上下の反射の統合ワーク後に、座面に対してしっかりと腰が据わり、上半身を自由に使えるようになった例を実際目にしています。


座奏の姿勢の場合は脊髄ガラント反射も影響ありそうです。仙骨座りだとお腹を潰してしまうので、ブレスも浅くなるし、この姿勢で演奏時間が長くなると腰を痛めてしまう。何より座り姿勢が不安定なので、上半身を自由に使えない。

逆に反り腰でしんどい方もおられるかもです。これは…固める反射モロー反射かな?

足の反射を統合すると、足指・足裏全体を地面に付け、大地を掴んでしっかり立つことが出来るようになります。

また、肩から腕、手首の使い方や、キーにちょうど良い塩梅で指を付けるのには手の反射は統合したいですね。

キーを力一杯塞ぎがちだったり、サムレストに置いた親指が反るほどの力で楽器を持ってしまうなら、モロー反射も統合しましょう。


正しく楽な姿勢のキープには、モロー反射首の左右の反射の統合の影響も大きいです。

この反射が残っていると、首の角度によって腕や足が思わぬ動きをしたりしますし、そのためにアンブシュアが崩れたり、キーから指が離れてしまったりといったことが、意図せずに起こってしまうことがあります。



  アンブシュア


アンブシュア、というのは、楽器の吹き口(マウスピース)を口に当てた・咥えた時の口の形、または、口の周りの筋肉の使い方のこと。

これを正しく習得するのに統合したい反射は


・手の反射

・口の反射


ですね。

アンブシュアなのに手の反射?と思いますか?

実は関係あるんです。



バブキン反射という手の反射。

赤ちゃんがおっぱいを飲むための、舌の動きを出す反射で、手に刺激が入ることで口が動きます。

金管楽器奏者で、楽器演奏中に口がモグモグしている人、たまに見かけるのですが、あれ、手の反射なのです。

サックスなどのリード楽器だと、手に刺激が入ると舌が動いてしまうので、リードを弾くように発音してしまって、雑音が混じってしまいがち。

それと、パーマー反射。

これは手に触れたものをギュッと握る動き。

私の体験談ですが、サックスのパームキーが手のひらに触れたことで、手指が丸まってしまうという現象が起きたことがあります。

なので素早い動きを伴うフレーズで指が引っかかったり、スムーズに動かない。

反射の活性化による無意識の動きは、練習で出来たことが本番で出来なくなる理由の1つ(全てではないけれど無視出来ない影響)と言えます。


次に口の反射

口に刺激が入ると、唇周りがピクッと動きます。

これは金管楽器奏者には特に影響しそう。

また、口が未発達なので、演奏し続けると口周りの筋肉が疲弊しがちです。

だんだんと口の端から息漏れしたり、それを防ごうとマウスピースを口唇に押し付けてしまったり。

サックスだと、マウスピースを噛んでしまい、音が痩せる、リードミスが起きる、下唇の内側が傷ついて痛い、などなど。

また、フルートの吹き口に安定的に息を吹き込むことも難しい。

もちろん、努力して技術を身に付けることは可能ですし、口の反射があっても素晴らしい演奏をする人は居ます。

その上で、口の反射を統合することで、演奏時に注意を払わなければならない物事が減り、より余裕のある演奏へとステップアップすることが可能です。

反射の統合後も、努力して身につけたスキルは残るのです。

口を自然に閉じた時に、舌の位置が上顎の凹部分に付いているのが、発達した口の状態なのですが、これが下に落ちたままの人もいます。

これはタンギングの困難さに繋がるのですが…



上記に挙げたいずれも、みなさん自分の努力不足・能力不足だと思いがちで、そういう時って本当に辛いので、とりあえず統合ワーク受けてみないか?!と、ただただ言いたい。




…と、いろいろ書いてきましたが、ちょっとキリがないので、一旦ここまで。

次の記事はこちら。


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