時代の変化に対応して、

新しい戦略や戦術を考えたい

 

と思っても、なかなか既存の

考え方にとらわれてしまって、

 

新たな発想で考えることが

できないという声をよく耳に

します。

 

そこで、脳はどのようにしたら

従来からの延長線上ではない、

 

新しい発想をするために

リミッターを外すことができる

のか、

 

その基本的な仕組みについて

お伝えします。

 

 

例えば図書館で勉強していて、

集中しているときには

 

周りの話し声が聞こえない

という経験をされた方は

多いと思います。

 

周りの話し声は自分にとって

重要性のない情報そのもの

です。

 

だから脳は重要ではない情報を

遮断する機能を持っているのです。

 

これを、カクテルパーティー効果

といいます。

 

このように、脳はエネルギーを

効率的に使って情報処理をする

ために、

 

目の前にある世界について、

自分が重要だと判断した情報だけ

認識するようにしているのです。

 

すなわち脳には情報を受け取る

フィルターがあって、

 

自分が重要だと思うことを強調して

認識する仕組みになっているのです。

 

つまり、

重要なものを意識にあげて、

重要でないものは無意識に

押し込めて活性化させていない

のです。

 

今目の前に見えているものは、

すべてのものを認識している

わけではなくて、

 

見ているつもりになっている

といういい方もできます。

 

 

ということは、逆にいえば、

 

自分が「重要」だと思っていることを

変えれば、

 

これまでとは違ったことが認識できる

ようになるということです。

 

では、

脳が何を重要だと判断するのかといえば、

「昨日まで自分が重要だと思っていたもの」

 

を重要だと判断するのです。

 

ですから、

意識して自分が重要だと思っていることを

変えない限り、

 

リミッターをはずすことはできないのです。

 

ではどうしたらいいのかというと、

外からの刺激が必要になります。

 

たとえば、時代がどのように変化

しているのか情報収集します。

 

すると「今のままではまずいな」

という意識が芽生えると、

 

こうやってみよう、こういう人にあって

みようなどと、

 

新しい認識が生まれてきます。

 

そして、この新しい認識をさらに

深めるために情報収集を続け、

 

何としても達成したいという意欲に

まで育てます。

 

すると脳は、新しい「重要性」に

もとづいた、新しい世界を描きはじめ

ます。

 

これがリミッターをはずして、

新しい戦略を発想する思考法

の入り口になります。

 

脳の基本的な仕組みを理解して、

活用することで新しい発想が

できるようになる事でしょう。

 

コロナ感染につづき、インフレ懸念などで、

経営環境が大きく変化しています。

 

 

これまで約30年間、デフレ経済で

モノの値段がほとんど変化しない

状態でした。

 

売上 = 単価 × 数量

 

と考えた場合、

 

これまでは、どちらかというと一生懸命、

「数量」を売ろうと努力してきたのでは

ないでしょうか。

 

たとえ値引きしてもです。

 

それが、ここにきて急にインフレへの

対応を迫られるようになってきました。

 

頭を切り替えねばなりません。

 

数量UPと同時に、単価UPも考える

必要が出てきました。

 

なぜなら、コストが高くなっているのに、

これまで通り「数」を売ろうと努力しても、

 

利益が出にくいからです。

 

でも人はどうしても現状維持が大好きです。

 

慣れ親しんだ現状が心地よいから、

誰しも今のままがいいですよね。

 

人は現状維持を好むホメオスタシス

(恒常性維持機能)が備わっているの

ですからしかたありません。

 

ではデフレ経済からインフレ経済に

変化した今、

 

どうやって変化に対応すればいい

のでしょうか!?

 

方法はいろいろとあります。

 

その中で、今回は「好奇心」

についてお伝えします。

 

まず好奇心とはどのようなもの

でしょうか!?

 

たとえば、引っ越しした時に

ペットのネコがまずすることは、

 

新しい家の周りを隅々まで見て

回ります。

 

これは自分の生命を守るために

 

「ここにエサを隠せるか」

 

「敵はいないか」など、

 

新しい環境を偵察するためです。

 

人間も同じです。

生き残るためには、周りの環境が

どう変化したのか知っておきたい

という欲求にかられます。

 

こうした本能的な欲求のことを

 

「好奇心」

 

といいます。

 

インフレで環境が変化し、

単価アップの必要性を認識すると、

 

これまでどおり数をたくさん売れば

利益が出るという(コンフォートゾーン)

にとどまっていたら、

 

これまでのような利益が出ませんので、

現状のやり方に違和感を感じるように

なります。

 

すると、赤字になったら会社が危ない

という意識が働いて、

 

どうしたら単価アップできるのだろうか

という方向に意識が向くようになって

いきます。

 

 

そうしたらしめたものです。

 

つまり、単価アップの「重要性」を

認識したら、

 

脳のRAS(ラス)という機能が

どうしたら単価アップできるのか

について、

 

必要な情報を収集するように

動き始めてくれるからです。

 

デフレ時にはそれほど単価アップの

必要性を感じていなくても、

 

インフレ時にはどうしても

単価アップを意識せざるを

得ません。

 

そして、好奇心があれば

脳のRASの機能によって

単価アップに導いてくれる

のです。

 

どうか好奇心を発揮して、

今どんな変化が起こって

いるのか、

 

たくさん情報収集しましょう。

 

ここで好奇心の強さは、

ドーパミンの量に左右されます。

 

好奇心が旺盛な人は、

エネルギッシュでドーパミンの

分泌が多く、

 

多動な傾向があります。

 

ですから好奇心を強くするには

ドーパミンをたくさん出す必要が

あります。

 

ドーパミンは好きなことをしている

ときにたくさん分泌されます。

 

楽しいと感じているときにドーパミンが

分泌されやすいからです。

 

ですから、変化に対応するためにも

好きなことを仕事にして好奇心を強く

していきましょう。

 

今回のインフレは、コロナによる影響、

ロシアのウクライナ侵攻、これまでの

各国の金融緩和政策の影響などなど、

いくつかの要因によって起こっています。

 

 

ですから1970年代のオイルショックの様な

一時的なインフレではなく、

 

数年以上続く可能性のあるインフレです。

 

こうしたインフレ時に誰しも考えるのが、

商品・サービスの値上げです。

 

でも、急に商品やサービスの価格を

値上げするのは抵抗がありますよね。

 

そこでどのような考え方で大きな環境の

変化に臨めばいいのかお伝えしましょう。

 

こういう時は、「視点」を変えて経営を

見つめ直します。

 

ではどういう風に視点を変えればいいのか

といいますと、

 

インフレになったから単価を上げたいという

視点は「自利」の視点です。

 

コストが上がっているから、単価を上げないと

赤字になってしまう。

 

よく分かります。

 

自分にとって不都合なことが起こると自利の

視点になりやすいものです。

 

でもお金を支払うのはお客様です。

 

あえて視点を変えて、

「利他」の視点で経営を考えてみてください。

 

では「利他」の視点とはどういうことで

しょうか!?

 

ズバリ、

お客様の「問題を解決」する視点のことです。

 

お客様はどんな事に悩んでいて、

 

それに対して自分の会社はどう

やってそれを解決できるのか

という視点です。

 

こうすることで自社の経営を俯瞰して

見ることができます。

 

俯瞰して見ることができれば

新しい気づきがあります。

 

自社の商品サービスは

自社の都合でできている

ことがおうおおうにしてあるものです。

 

それを取り除いていくだけでも

お客様にとって価値がUPする

ことでしょう。

 

価値がUPすれば、単価が上がる

ことは自然なことです。

 

お客様の問題点を解決することに

注力しましょう。

 

どうしたら値上げできるのか

悩むのではなく、

 

お客様の悩みをどうしたら解決

できるかについて悩みましょう!!

 

 

そもそもビジネスとは、

お客様の悩みや痛みを自分の強みで

解決することです。

 

ですから、お客様の悩みや痛みは何で、

自分の強みは何か明確にしましょう。

 

デフレからインフレという大きな環境の

変化は大変なことですが、

 

環境の変化をキッカケにして、

より一層、商品力・サービス力を

高めましょう。

 

ここで注意点があります。

 

外部環境の変化に対して「不安」

になりますと、

 

前頭前野の働きが弱まって、

IQが下がり、判断を誤りやすく

なります。

 

不安を払拭するためには、

新しい視点から見ること

によって、

 

新しい可能性を見い出そう

という

 

「未来に対する期待」

 

を抱くようにします。

 

そうすると脳が活発に働き、

ドーパミンやセロトニンが出て、

 

楽しく幸せな気分になることが

できます。

 

これからどうなるのか

目に見えない大きな環境の変化が

待ち受けていますが、

 

生き残るのは変化できる者である

とよくいわれます。

 

発想を転換して、変化をチャンスに

していきましょう。

 

石油などの資源高や、円安などで、

これから急に、日本もインフレになると

叫ばれています。

 

 

利益は、売上から仕入や経費を差し引いて

計算しますので、

 

当たり前ですけど、

売上が同じで、仕入や経費の金額が上がれば、

利益は減ります。

 

どれくらい利益が減ってしまうのでしょうか!?

 

たとえば、売上に対する当期利益の比率が

5%だったとします。

 

仮に売上が同じで、インフレ率が5%でしたら、

当期利益はプラスマイナスゼロになってしまいます。

 

例えば、売上が1億円で、売上に対する当期利益率が

5%でしたら、500万円の利益ですが、

 

インフレ率が5%になった瞬間に、

ほとんど利益が吹っ飛びます。

 

ましてや、

売上に対する当期利益の比率が2%で、

インフレ率が5%になった場合は、

 

いっきに赤字になるイメージです。

 

すべてのモノが一律に上昇するわけではない

ですが、

 

目安としてインフレ率にも注目しましょう。

 

では、すでにインフレになっている

海外のインフレ率はどれくらいかと

いいますと、

 

イギリスの消費者物価指数は、

令和4年1月の前年比で5.5%

上昇したそうです。

 

イギリスの令和4年のインフレ率は

7%を超えるという予想もあるみたいです。

 

アメリカはどうかといいますと、

令和4年2月の消費者物価指数は

前年同月比で7.9%の上昇だそうです。

 

(ちなみに、アメリカの2020年の

消費者物価指数が1.25%でした。

 

過去の日本の消費者物価指数は、

2020年が0.03%、2019年が0.47%でした。)

 

 

日本だけがインフレにならないとは

いえないでしょう。

 

日本は、石油や多くの食料品が輸入

されていますし、

 

急激に円安になっています。

 

長い間、デフレ経済といわれてきた

日本で、

 

インフレ率を気にすることになるなんて

思ってもみませんでしたが、

 

決算書を見るに当たって、

一般的な物価上昇率となる

インフレ率も気にしましょう。

 

そして、自社の売上に対する

当期利益率がどれくらいなのか、

 

もう一度確認しましょう。

 

そして、

例えばインフレ率が5%になったら、

どれくらい利益が減るのか確認しましょう。

 

また、

経費の中で最も大きな比率を占めるのが、

仕入でしょう。

 

業種によっては外注費もです。

 

こうした大きな比率を占める経費の金額や

購入単価の推移も頻繁にチェックする必要

があるでしょう。

 

もう年に1度の決算では、実態が把握できず、

タイムリーに手を打つことはできません。

 

ですから月次決算は必須です。

 

月次決算でまず確認することは、粗利益です。

 

そして次に固定費です。

 

毎月早めに試算表を作成して、確認しましょう。

 

また、物価が上がっているわけですから、

いつまでも自社のスタッフの人件費を同じに

しているわけにもいかないかもしれません。

 

決算書を確認しながら、どのタイミングで、

どれくらい上げるのか、

 

シミュレーションする必要があるのでは

ないでしょうか。

 

また、

自社の商品やサービスの販売単価の値上げも

検討する必要があるでしょう。

 

このへんのお話しは、次回お伝えします。

 

免税事業者は税務署に

消費税を納税しないから

といって、

 

インボイス制度になってから、

免税事業者に消費税を支払

わないと、

 

「独占禁止法」や「下請法」、

「建設業法」に引っかかる恐れ

があります。

 

 

そこで今回は、

免税事業者に消費税を支払わ

ないと、

 

どういう場合に罰せられるのか

についてお伝えしたいと思います。

 

当たり前のことですが、

 

基本的に売り手と買い手が

お互いに納得して取引金額を

決めれば問題ないのですが、

 

取引先が免税事業者だからといって、

消費税分を支払わないのはいけない

場合があるというわけです。

 

なせなら、免税事業者も仕入や

経費の支払う時に消費税を負担

しているからです。

 

では具体的にはどういった場合に

「独占禁止法」や「下請法」などに

引っかかるのか、見ていきたいと

思います。

 

国が出しているQ&A

「免税事業者及びその取引先の

インボイス制度への対応に関する

Q&A」のQ7にもとづいて記載して

います。

 

https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html

 

基本的に、免税事業者と取引

する際に、

 

インボイス制度をきっかけとして

取引条件を見直すこと自体は、

 

問題となりません。

 

ポイントは、「優越的地位の濫用」

です。

 

つまり、インボイス制度になりますと、

免税事業者に消費税を支払っても、

 

支払った会社は、消費税の負担が

増えることがあります。

 

だからといって、

一方的に消費税の支払を拒否する

ことは、

 

「優越的地位の濫用」として、

 

独占禁止法に引っかかる可能性が

出てくるのです。

 

あくまでも、取引金額は、

お互いに了承した上で決める必要が

あるからです。

 

免税事業者の仕入や経費にかかる

消費税の負担なども考慮に入れて

価格を決める必要があります。

 

 

優越的地位の濫用として問題となる

恐れがある場合は、

 

下記のようなケースが考えられます。

 

①   話し合いが形式的で、買手の都合のみで

   著しく低い価格を設定し、免税事業者が

   負担していた消費税額も払えないような

   価格にした場合。

 

②   免税事業者に対して課税事業者になるよう

   に要請した後に、著しく低い取引価格を設

   定した場合。

 

③   免税事業者と契約した後に、仕入先が

   免税事業者という理由だけで、取引を

   拒否した場合。

 

④   免税事業者だからといって受領した商品を

   正当な理由がないのに返品した場合。

 

⑤   免税事業者に対して、価格を据置く代わりに、

   免税事業者にたいして協賛金や販売促進費

   等の名目で、金銭を要請した場合。

 

⑥   免税事業者に責任がないのに、予め決めた

   金額を一方的に引き下げた場合。

 

売り手と買い手の双方が納得して金額を

決めれば、

 

結果的に金額が引き下げられたとしても、

独占禁止法上の問題にはなりません。

 

免税事業者に、「税抜」や「税別」として

価格を決める場合、

 

消費税相当の支払いの有無について、

お互いの認識に違いがないようにする

ことも必要です。

 

仕入先が免税事業者ということ自体は、

仕入先の責めに帰すべき理由には当

たりませんのでご注意ください。

 

また、免税事業者に対して課税事業者

になるよう要請すること自体は、

独占禁止法上問題となりません。

 

下請法、建設業法、独占禁止法に関する

相談については、

 

「下請法及び建設業法並びに優越的地位

の濫用規制に係る相談窓口」

 

が設けられています。

 

どうか、取引先が免税事業者だからと

いって、

 

消費税を支払う必要はないということは

誤解です。

 

お互いに納得した形で金額が決まれば、

問題は生じませんので、

 

十分な話し合いのもとに取引金額を

決めていただければと思います。