今回は4回目の学校ブレコネになります。国立大学法人・東京学芸大学の竹鼻先生(養護教育分野教授)から頂いた学校用ケースブックをサンプルに、昨今の学校現場にありがちな状況をブレコネしてみました。
◆参考文献◆
・「ケースメソッド教育に活かす学校用ケース・ブックPart2」
編集:齋藤千景/竹鼻ゆかり/鎌塚優子/岡田加奈子 十文字学園女子大学 斎藤研究室2018年
・「たった1枚の紙で誰でも意思決定できてしまうブレイン・コネクト」
監修:株式会社インクルージョン 著:杉村寿重/和氣俊郎/横内浩樹/平塚智文 三恵社2019年 https://www.amazon.co.jp/dp/4866931248
◆ケース4:シングルマザーの子育て◆(ケース要約)
県内の公立中学の女子中学生は母と弟(小5)の母子家庭。父は大手メーカーから決まって依頼のある町工場の経営者で、両親はとても仲の良い夫婦だったが、町工場の経営が傾き、父の酒量は増え、次第に夫婦仲が悪化し離婚となった。工場は倒産し、跡地は人手に渡り、幸せだった家族は軌道を外した。
彼女は生活のために昼夜複数の仕事に追われる母に代わり、家事(買い物、掃除、炊事、弟の面倒など)を一手に賄っている。自宅玄関先のキッチンは学校で話題の北欧の愛らしいテーブルウエアを思い出す余地もなく、景品で当たった器が散乱している。習い事のピアノもやめ、部活もやめ、家事に追われている。成績は標準的なので、中堅な県立高校に行くことを担任は勧めていたが、当人は定時制高校に行って母を助けると言っている。
弟は放課後にサッカークラブに通っている。エースのミッドフィルターを務め県大会を目指しているようで、何とか応援したいと思っているが、今後の状況では不透明なことも多い。
三者面談のときも、母親は仕事を理由に姿を見せなかった。そのような状況で担任は、このままでは尻すぼみの未来になりかねない懸念があり、どうやって行けば良いか悩んでいる。
※ケース内容の詳細は上記「ケースメソッド教育に活かす学校用ケース・ブックPart2」を参照※
◆「シングルマザーの子育て」でブレコネしてみた(Step1)◆
◆Step2◆
このケースの特徴は、Step2で赤(すでに起きている)が多すぎで、かつ青(今後たぶん起きる)が無いというパターンで、かなり危険な状態であると言えます。
赤が多すぎるということは今まで何も手を打たずに来てしまったということであり、青が全くないことは、今の状態を続けていると「そのせいでPain」側の黒(起きるかも/起きないかものリスク)が、起きうる青に変わる危険性を孕んでいるとも言えそうなケースと考えることができます。つまり定時制高校も現在はまだ現実ではない段階であっても、今後は止む無しが現実になってしまう危険性があるということです。
それを回避するのに有効な方法は「そのおかげでGain」の黒(チャンス)に目を向けて、黒を限りなく青に変えて(起きる可能性を最大化し、積極的に好機を起こすようにする)」、今の状況を改善していく模索が必要であるとも言える。
よって今、大人が何よりもやらなければならないことは、子供の将来を狭めず、選択肢を増やして拡げていくことが最優先であると考えられます。
子供たちは現状に振り回され、諦めとも思える絶望感に苛まれていると考えられるので、母親の意識を変えて、現状を希望のある未来に変えていくことが必要となるのではないでしょうか。
そのために先ず、今からでもできる行動を考え、そして未来を踏まえた手を打てることを全部やって行く意思決定が必要になるでしょう。
◆Step3(それぞれの行動)◆
◆Step3(意思決定)◆
Step3の行動としては、母親が分かれた夫とヨリを戻すとか養育費を請求するなどの意見も出てきましたが、これは教育現場のケースなので最終的には教育者や学校が何ができるか?という意思決定を考えるケースとして扱っています。
よって、教員としては家庭に介入しすぎるのではなく、教育者として子供の将来の選択肢/可能性を広げるために一緒に考えて行くという意思決定と、子の家庭(母親)には行政/福祉支援の情報提供と連携が意思決定になると考えられます。
尚、これはあくまでもサンプルですので、皆さんもこのような問題に直面した場合どのように考えるか、色々やってみて頂ければと思います。もっと良いアイデアや幅広い対応策も出てくることでしょう。
【著作文責】株式会社インクルージョン(Inclusion Research Institute, Ltd.【略称:IRI】) https://www.iri-ltd.com/



