ofとfrom | 英語学習雑感ブログ

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高校1年生レベルの理解力

 

 

ofとfromは、その違いを意識してよく使われる言葉です。

 

そして、これらをof「・・・の」やfrom「・・・から」の訳語を貼り付けることより、それらのニュアンスの違いをどのように使われることになることが多いのか、という学習が、本当にきちんとした理解を生むことを、説明しましょう。

 

 

先に、端的な例を紹介して、それが理解できるように、基礎的な学習を深めていくことにしましょう。

 

昔、大谷翔平選手が、WBCで、一平氏が、あることを通訳した頃、「彼の通訳力はたいしたことがないという発言を繰り返したことがあります」。

それは、

MLBのOBの一人が、

What planet are you from?

と、喋ったときに、

一平氏は

「どの惑星出身ですか」

と通訳しました。

しかし、様々なコンテクストを総合すると、この英語は

「あなたはどのような立派なものの影響を間接的に受けて現在があるのか?」

が、正しい通訳と言えます。

 

これが最終的に理解されるように、基本的な説明をしていきます。

 

(1)  出身を表す

(2)  食い違いを表す

(3)  離れていることを表す

(4)  間接的な影響を表す

 

実は、これ以外にも山ほどあるのですが、できるだけ項目を増やさないように、このくらいに絞って説明をしましょう。

 

 

(1)  出身を表す

これは、わざわざ出身を述べるのですから、発話時の位置と、出身地がかなり離れていることが前提になるのが普通です。

I’m from L. A.

と述べると、ロサンゼルスと、発話時の位置が、基本的に離れていることを意味します。

これに対して、それほど発話時の位置と出身地が離れていない場合には、ofが使われることがよくあります。

 

 

(2)  食い違いを表す

これの代表的な使い方が、

A is different from B.

「AはBと異なる」

というものです。

ofには、場合によってはくっ付いて一部になっていることも含意されるので、このような場面で使われることはほとんどありません。

区別するときにも、

distinguish A from B

というように、「BからAをはっきり区別する」

というように使います。

 

 

(3)  離れていることを表す

例えば、tiredという状態の原因が、前々日の疲労である場合には、その離れていることを示すために、

He is tired from the work on the project on the other day.

「彼は先日のそのプロジェクトの仕事で、疲れていた」。

それに対して、tired「うんざりしている」という状態の原因が、目の前にまだあるか、それほど離れていない場合には、

I’m tired of life.

「私は人生にうんざりしている」

ということで、このうんざりしている気持ちが、今生きている瞬間にも生み出されていることを含意しています。

 

さらには、原材料とできあがっているもののあいだに乖離(離れている状態)がある場合には、

The wine is made from the grapes.

「そのワインは、その葡萄から作られている」

で、材料が、元の状態から変化してある程度、乖離が感じられるようにならないと、このような表現は行いません。

This desk is made of the wood.

「この机は、その材木から作られている」

この場合、できあがった机から、それの元になっている材料が、乖離がほとんどないために分かることを意味しています。

 

 

(4)  間接的な影響を表す

直接的な影響がofで、間接的な影響がfromです。

これらが、(1)から(3)と何らかの関連があることは簡単に分かることです。

 

そのことを踏まえて、大谷翔平選手が基本的に個人崇拝を行わない(この発言は高校生時のインタビューでも頻繁に確認できます)、ことを考慮した上で、

planetに「先駆となる偉大なもの」

のような意味があることが分かれば、

「あなたはどのような立派なものの影響を受けて今日があるのか」

という意味は、なんとか推測できます。特に「出身地である惑星を訪ねるのがナンセンスであると分かれば、別の意味がありうるはずである」と目星を付けることができます。

ちなみに、木星の衛星エンケラドスなどには、充分に生命が存在しうる状況があることが分かっています。したがって、生き物に、どの惑星出身かを尋ねることは、ますます持って意味がなくなるでしょう(もちろん遙か将来の話ですが)。

 

一応、人付き合いを悪くしないために、「松井選手」や「イチロー選手」の名前を挙げることはありますが、彼らに関する発言で、「彼らには憧れる存在である」と匂わせる発言は全くないと言ってもかまいません。

 

 

大谷選手は、中村天風という人物の本に影響を受けたことを告白していますが、彼のアニメ好きなどからは、これが極めて違和感があるために、重要視されませんが、中村天風氏は、個人崇拝に陥ることを否定し、何か大きな原理を把握して、その原理を実現するように日々努力することを勧めています。

大谷選手が、この本にどのように出会ったのかは、彼自身が全く話していないので、それは全く理解されていません。

 

 

 

以上です。英語は、コンテクストを理解すると、全く異なる意味が理解されるという、日本語にはあり得ない特徴を持っている言語です。これを上っ面の、馬鹿馬鹿しい意味しか拾わないで、中にある深い意味を拾うためには、きちんとした理解が必要であるということが理解していただけたでしょうか?