Free the north (9) | 英語学習雑感ブログ

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社会人、超難関大学入試問題の難易度

 

 

Britain’s northern lites

 

第12パラグラフ

They need more freedom, too. Greater Manchester has been allowed to plan for housing and office development at metropolitan scale, and is making a good go of it. Other metropolises are still denied that power. Mr Burnham is also being allowed to unpick one of Margaret Thatcher’s less wise reforms, in which buses outside London were privatised and deregulated. But it was a hell of a fight, and required a court case.

 

 

第1文They need more freedom, too.

この文の構造は簡単です。freedomは、「自由」ではなく「制約などのマイナスとなるものがないこと」を表すことに気をつけてください。

「諸都市は、制約となるものがより少なくなる必要もある」。

この文は「より具体的にはどのようなことを意味するのか」という疑問を喚起し、その後の議論展開でその疑問を解消していることが確認できるのでtopic sentenceであると判断することができます。

 

第2文 Greater Manchester has been allowed to plan for housing and office development at metropolitan scale, and is making a good go of it.

この文はGreater ManchesterがS、hasからscaleまでの述部とisから文末までの述部がandで組み合わせられる構造になっています。

「グレイターマンチェスターは、大都市規模で住宅とオフィスを開発するための計画を許されてきている」。

 

第3文 Other metropolises are still denied that power.

この文はare deniedを挟んでSVOの構造になっています。

「他の都市はそのような権限を依然として与えられていない」。

制約があることを示しています。

 

第4文 Mr Burnham is also being allowed to unpick one of Margaret Thatcher’s less wise reforms, in which buses outside London were privatised and deregulated.

この文はone of からreformsまでを先行詞としてin whichから文末まで非制限用法の関係代名詞節が展開していることを指摘するだけで充分でしょう。

「バーナム氏(マンチェスター市長)も、ロンドン以外のバスは民営化し規制緩和するという、サッチャー元首相のあまり賢明でない改革の一つを廃止することも許されていない」。

 

第5文 But it was a hell of a fight, and required a court case.

この文はit (= one of Margaret Thatcher’s less wise reforms)がS、wasからfightまでの述部と、requiredから文末までの述部とがandで組み合わせられています。

「しかしその改革はとてつもない戦いで、裁判で闘うことを必要としたのである」。

 

 

ここで第12パラグラフは終了です。次のパラグラフの内容を読めば、このsupportはまだ続いていることがわかります。このパラグラフは、第1文がtopic sentenceで、第2文から第5文がそのsupportの一部であると判断することができます。

 

 

第13パラグラフ

Freer cities will inevitably make mistakes. More local revenue-raising risks widening the gap between the poorest and richest places; a mechanism for redistributing money that does not squelch all incentives to develop will be needed. But Britain’s economy cannot keep relying so heavily on London. And its second-tier cities cannot thrive unless they have more control of their destinies. Time to free the north. 

 

 

このパラグラフは、A – B – A’の議論展開のB部分(第1文から第3文)とA‘部分(第4文と第5文)と、concluding sentence(第6文)から構成されているので、topic sentenceを含まないと判断することができます。

 

第1文Freer cities will inevitably make mistakes.

この文の構造は簡単です。

「制約がより少なくなった諸都市は、必然的に、過ちを犯すであろう」。

ここからA – B – A’の議論展開のB部分(A部分を読んだ読み手が思い浮かべるであろうと想定される反論を代弁する部分)になります。A部分は第12パラグラフ全体です。

 

第2文 More local revenue-raising risks widening the gap between the poorest and richest places;

この文の構造も簡単です。

「収入を集めることがより各地域で行われるようにすることは、最も貧しい地域と最も豊かな地域間の乖離を広げる危険性がある」。

 

第3文 a mechanism for redistributing money that does not squelch all incentives to develop will be needed.

この文はa mechanism for redistributing moneyを先行詞としてthatからdevelopまでが関係代名詞節で、両方を合わせてS、will be neededがVという構造になります。

「開発するすべての動機をやり込めてしまうのではない、お金を再分配するためのメカニズムが必要とされるであろう」。

 

第4文 But Britain’s economy cannot keep relying so heavily on London.

この文の構造は簡単です。

「しかしイギリス経済はロンドンにあまりにも過度に依存する状態を続けるわけには行かない」。

この文からA’部分になります。A‘部分はB部分で示した反論が、A部分の議論の正しさを覆さないことを示す部分です。B部分とA’部分のセットで1種類のsupportになります。

 

第5文 And its second-tier cities cannot thrive unless they have more control of their destinies.

この文の構造も簡単です。

「しかもイギリスの二流の諸都市は、自分たちがどのような都市になるのかをよりコントロールするようにならない限り、繁栄することはありえない」。

 

第6文 Time to free the north. 

「北部の諸都市の制約をなくする頃合いである」。

この文はconcluding sentenceとみなすべきです。concluding sentenceはよく「結論文」と誤訳されますが「締めくくり文」と述べたほうが適切で、複数のパラグラフにまたがるsupportが次のパラグラフにさらに展開しないことを示すことが、結構大きな役割を果たします。もちろん、今までの議論展開で明確になった結論を述べることも行いますが、この役割を果たすconcluding sentenceの割合は意外と少ないことは、このブログを読んできた人には分かると思います。

文章全体を締めくくる役割もこの文は果たしています。

 

 

ここで第13パラグラフは終了です。このパラグラフは、support部分(第1文から第5文までのB部分とA‘部分)と、concluding sentence(第6文)を提示することに特化しているためにtopic sentenceを含まないと判断することができます。

さらに、第12パラグラフの第1文をtopic sentenceとする、対応するsupport部分はこのパラグラフの第5文までで、第6文がconcluding sentenceであると判断することができます。

 

 

これで今回の文章はすべて読み終えたことになります。

今回もパラグラフの構造を意識することが不可欠と言えるほど重要な役割を果たすことが再確認できたようです。

さらに、英語はコンテクストを生かして普通ではない意味を生み出すので、できるだけコンテクストを見ないでぶつ切りにして訳語を貼り付けていくという方法がいかに誤読を生みやすいものであるかも確認できたと言えるでしょう。