ほどほどの難易度の文法・精読問題(2)(解説) | 英語学習雑感ブログ

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明治大学の入試問題の難易度レベル

 

 

 

それでは早速解説していきましょう。

空欄( a )の直前の文では、鳥類の進化の起源の話が述べられているので、birdsとdinosaursとの関係を結ぶのは、選択肢からare descended fromしかないと判断できます。

空欄( b )の直前にはthey’veがあり、直後にはit Unenlagiaとあるので、VOCの構造でCに名詞のパターンを取ることができる動詞の過去分詞が入ると判断できます。その条件で選択肢をチェックするとnamedしかないと判断できます。

空欄( c )を含む文はbutという等位接続詞の前後で重文構造を作っています。文中の大きめの要素を組み合わせるandやbutの前後では言い換えや省略が多用されることと、前後の名詞をチェックすると、resemblesとlooks likeの言い換えが行われていると判断することができます。

空欄( d )を含む文はカンマがandの代理をし、それが重文構造を作っており、not only A but also Bの相関構造を作っていることが分かるので、これもdid allow (= allowed)とpermittedの言い換えが行われていることがわかります。

空欄( e )が素直に選べなかった人が多いと思います。直前のone never beforeを見て、このoneがa motionの繰り返しを嫌った言い換えの代名詞であることに気が付き、さらに、associated with Xで、「Xと関連付けて考えられる」という過去分詞句を形成することに気づくのは少し難しいでしょう。

空欄( f )は、直前にtoo small toとあるので、動詞の原形で、さらに直後にthe animal off the groundというパターンを従えることができる動詞はliftしかないと気づくことが大切です。

空欄( g )の直後にはthemselves from fallingというpreventなどによく見られる後ろのパターンがあるので、それに類似した機能を持つ動詞を探すとkeepが見つかります。

空欄( h )の直前にはalsoがあり、これがjust as節に含まれていることを考慮すれば、例えを表すasであることも考慮すれば、could have acquired similar traitsとevolved wingsの言い換え関係に気づくことができます。

空欄( i )は、配点に困って作った問題という色合いが濃く、単に、[shed, throw, cast] light onで、clarifyと同じ意味になるイディオムの発見で解決が付きます。

空欄( j )は、直前にanother (theory)があり、直後にup by the new findという構造が見つかるので、the new find backed up another (theory)という関係が読めるので、backedが正解であると判断できます。

 

このように、英文法と精読の技法が答えを導く鍵を握っていることに注意してください。

 

繰り返し読むに値する極めて英語らしい論理で書かれているので、くり返し読む手がかりとなるように訳をつけておきます。

繰り返し読んで、実際の英語の意味のヒントがどのように見つけられるかを体得してください。

 

(訳例)

  鳥類の起源ほど、進化の問題でより多くの論争を引き起こしてきたものはほとんどない。ほとんどの科学者は、鳥類は獣脚竜と呼ばれる恐竜の子孫であると信じているが、彼らは実際に恐竜-鳥類の繋がりを示すものを発見してはいなかった。今や、2人のアルゼンチンの古生物学者が、先週のNature誌に執筆しているのだが、あまりにも鳥類に似ているので、現地のネイティブアメリカンの「半分」と「鳥類」を表す言葉に由来する、Unenlagiaと名付けることになった恐竜を発見したと述べている。

  その化石は獣脚竜に似ているが、その骨盤は恐竜と鳥類の交配種に似ている。しかもその肩はさらに驚くべきものである。その肩によって、その動物がその短い両腕を前方に動かすことを可能にしただけでなく、上下に「羽ばたく」動き(以前、飛翔しない恐竜には決して関連付けて考えられなかった動き)も可能にしたのである。これらの手足はあまりにも小さくその動物を地面から浮かせることはできなかった。それらはその恐竜が跳ねたり走ったりする時に、ちょうど体操選手が、自分たちが転ばないようにするために両腕を広げるように、バランスを取るために使われたかもしれない。

  一部の懐疑的な人々は依然として、ちょうど鳥類とは類縁関係にないコウモリが翼を進化させたように、恐竜と鳥類は似たような体の特徴を独立に身に着けたことはありうる、と論じている。Unenlagiaを発見した2人は、その一方で、その新たに発見した化石は、さらに別の謎を解明する、つまり飛翔の起源のなぞである、と述べている。一つの仮説は、樹上生活をする動物が木から木へと滑空し始めた時に飛翔は生まれたというものである。もう一つの仮説は、この新たに発見された化石によって支持されているのだが、地上に住む羽ばたく動作をする動物が、飛翔をした最初の動物だということを述べている。

 

 

補足

第1パラグラフの最後の文のthey have found a dinosaur so birdlike that…の部分は、they have found so birdlike a dinosaur thatとしても構わない表現で、so birdlikeをaの前においても、dinosaurという名詞の直後に置いても、dinosaurという名詞が属性のbirdlikeを飲み込んで名詞のように見えてしまうという問題を回避していることは、このブログを読んできた人にはすぐ分かるでしょう。日本の文法書などが、「口調」が原因であるという説明をしていますが、この問題文のように後置されているのは口調では説明が付きません。

 

 

お詫び

最初のアップ時には、設問( e ), ( f )の解説が抜けていました。ごめんなさい。