Leashed (6) | 英語学習雑感ブログ

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社会人、超難関大学の難易度レベル

 

 

More crosses than ticks

 

 

第10パラグラフ

If neither his party nor the law will stop Mr Trump, what can? Poetic justice recommends a do-or-die run for the Oval Office by Ms Cheney, in a bid to siphon off Republican voters who cannot bear to put a cross next to the name of a Democrat. If enough of them switched in red states in a close race, it could deny Mr Trump victory in the electoral college.

 

 

第1文If neither his party nor the law will stop Mr Trump, what can?

この文はifからTrumpまでが条件節でM、whatがS、can (stop Mr Trump)がVとOという構造になっています。Mr Trumpは、例によって、文字通り人を表すのではなく、トランプ氏の大統領選に出馬することを表します。英語は人を表す名詞で文字通り人を表すだけでなく、その人の行動や特徴も表すことができるというのは大切な基本事項です。

「もし共和党も、法律もトランプ氏が大統領に立候補することを阻止できないのであるならば、何がそうできるのであろうか」。

この文はそれ自体が疑問文となって疑問を喚起し、その疑問をその後の議論展開によって解消していることが確認できるので、topic sentence(第4パラグラフの第3文から見るとsub-topic sentence)であると判断することができます。

 

第2文 Poetic justice recommends a do-or-die run for the Oval Office by Ms Cheney, in a bid to siphon off Republican voters who cannot bear to put a cross next to the name of a Democrat.

この文はpoetic justiceがS、recommendsがV、aからCheneyまでがO、in a bidから文末までがMという構造になっています。

poetic justiceは「詩的正義」などというものではありません。このような日本語を見ても、何を語っているかわかる日本人は皆無に等しいでしょう。このような不毛な訳のはりつけはしないでほしいものです。

poetic justiceとは因果応報や勧善懲悪のような、悪が自ら招いた悪によって滅びることを願う考え方やそれを実現する出来事を指します。この表現を英英辞典の定義で確認しておきましょう。

If you describe something bad that happens to someone as poetic justice, you mean that it is exactly what they deserve because of the things that person has done.

となっています。

できるだけ定義文に忠実に訳してみると

『もしある人に起こるなにか悪いことをpoetic justiceと説明する場合、それがまさにその人がすでに行ったことが理由で、その人が正に受けるに値するものである、という意味である』

となります

「因果応報が勧めるのは、リズ・チェイニー氏が大統領選にイチかバチかで出馬して、民主党員の名前の隣に×印をつけるのが耐えられない共和党の有権者を吸い上げる目的にすることである」。

 

第3文 If enough of them switched in red states in a close race, it could deny Mr Trump victory in the electoral college.

この文の構造はifからraceまでが条件説でM、it (the do-or-die run)がS、could denyがV、Mr TrumpがO、victoryから文末までがもう一つのOという構造になっています。

「もしそうした有権者の充分な頭数が、接戦における共和党優勢の週で立場を変更するならば、その方法がトランプ氏に選挙人団での大勝利を与えないという可能性があるであろう」。

 

 

ここで第10パラグラフは終了です。このパラグラフは、第1文がtopic sentenceで、第2文と第3文がそのsupportの一部であると判断することができます。

 

 

第11パラグラフ

Better would be to depend on the good sense of the American people. It is easy to forget that Mr Trump loses elections. In the four years of his presidency he lost his party both houses of Congress as well as the White House. Many voters understand that he is dangerous and undemocratic and most do not want him back in office. The reason Mr Trump campaigns so hard against the trustworthiness of the ballot box is that he knows the ballot box can defeat him. 

 

 

第1文Better would be to depend on the good sense of the American people.

この文はbetter (than this)がC、would beがV、to dependから文末までがSという構造です。

この倒置構造は、古い情報から(thisが旧情報)、新情報(これから述べられる主語)という流れを作るためによく行われます。ちなみに、Sが後置される構造に最初からなっているので、形式主語は使われていません。

「このことよりもましなのは、アメリカ国民の良識に頼ることであろう」。

この文は「どうしてそうであると言えるのか」という疑問を喚起し、その疑問を解消することをその後の議論展開で行っていることが確認できるのでtopic sentence(第10パラグラフの第1文からみるとsub-topic sentence)であると判断することができます。

 

第2文It is easy to forget that Mr Trump loses elections.

この文の構造はかんたんです。

「トランプ氏が選挙の票を失っていることを忘れるのはかんたんに起こる」。

 

第3文 In the four years of his presidency he lost his party both houses of Congress as well as the White House.

この文はinからpresidencyまでがM、heがS、lostがV、hisから文末までがOという構造になっています。

「彼の4年間の大統領任期中に、彼は、ホワイトハウスだけでなく、議会両院の共和党の仲間を失った」。

 

第4文 Many voters understand that he is dangerous and undemocratic and most do not want him back in office.

この文はmostの前のandによって重文構造を作っています。

「有権者で彼が危険であることをわかっている人は多く、ほとんどの有権者は彼に再び大統領職に付いてもらいたいとは思っていない」。

 

第5文 The reason Mr Trump campaigns so hard against the trustworthiness of the ballot box is that he knows the ballot box can defeat him. 

この文はthe reasonが先行詞で直後に関係副詞whyが省略されており、そこからboxまでが関係副詞節で、両方を合わせてS、isがV、thatから文末までがCという構造になっています。

「トランプ氏が投票箱の信頼性に反してとても一生懸命運動を行っている理由は、投票箱が自分を敗北させる可能性があることを彼がわかっているからなのである」。

 

 

 

ここで第11パラグラフは終了です。このパラグラフは、第1文がtopic sentenceで、第2文から第5文がそのsupportであると判断することができます。さらに、第10パラグラフの第1文をtopic sentenceとする、対応するsupport部分はここまでであると判断することができます。

そのことがわかれば、第4パラグラフの第3文をtopic sentenceとする、対応するsupportはここで完結する事がわかります。

 

 

これで今回の文章はすべて読み終えたことになります。

今回もパラグラフの連携構造を意識することが極めて重要な役割を果たすことが確認できました。

さらに、訳文を作りながら読むという方法は、不可能である場合が結構あるだけでなく、誤読を生み出す大きな原因になることも確認できました。