Leashed (1) | 英語学習雑感ブログ

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社会人、超難関大学の難易度レベル

 

 

第1パラグラフ

They are the questions hanging over America and, thus, the West. Will the man who tried to overturn the results of the presidential election in 2020, threatened to disband the world’s most powerful military alliance and played footsie with Vladimir Putin, decide that he wants to run again? If so, can he be stopped? It may seem premature to ask. But the first primary of 2024 is closer in time than the last general election, 94 weeks ago. And, despite his poor record in office and his unconscionable behaviour after America’s voters kicked him out, Donald Trump’s grip on the Republican Party has strengthened.

 

 

第1文They are the questions hanging over America and, thus, the West.

この文の構造はかんたんです。

それより難しいのは、英語のpersonal pronounと日本語の人称代名詞との違いから生じる難しさです。日本語では、人称代名詞で言及される対象をすでに述べている必要がありますが、英語では、すでに述べている必要はなく、しかも他の記述やコンテクストから、対象が明確になるならば、personal pronounをいきなり使っても構わないのです。この文ではtheyに相当する対象が、日本語とは違って言及されていないので、この文だけで意味を決めることは不可能に近いです。

あくまでもこの文を見たときに、2つ以上の対象が明確になっており、それらがthe questionsとS, C関係を満たすことがわかるだけです。英語のa questionは、「疑問」だけでなく、その性質を持った物、事、人も指すことができるので、theyを「それら」と断定することは危険であるということが分かります。

何れにせよ、これからアメリカと西側諸国にとって、残ったままになっている、questionsなるものが2つ以上、具体化されることが予想できるだけです。このような文も英語にはたくさんあるので、訳文を作りながら読むという方法は、英文理解の基本的な手法とは言えないことが分かります。

この文の最終的にわかる訳は、その時点で示すことにします。

 

第2文 Will the man who tried to overturn the results of the presidential election in 2020, threatened to disband the world’s most powerful military alliance and played footsie with Vladimir Putin, decide that he wants to run again?

この文はthe manが先行詞で、whoからPutinまでが関係代名詞節で両方を合わせてS、will decideがV、thatから文末までのthat節がOという構造になっています。関係代名詞節の中を詳しく見てみると、whoがS、triedからの動詞句と、threatenedからの動詞句とplayedからの動詞句とがA, B and Cのパターンで組み合わされて、全体として述部を構成しています。

「2020年に大統領選の結果を覆そうとし、世界で最も強力な軍事同盟を解散する可能性を高くし、プーチン大統領とこっそりと親しくなった男は、再び選挙に出馬することを望むと判断するであろうか」。

どうやらこの?で終わる文の内容がtheyの中の1つのようです。

 

第3文 If so, can he be stopped?

この文は、so部分で、直前の第2文とほとんど同じものを指し、heがS、can be stoppedがVという構造です。

「もしそうであるならば、彼の再出馬を阻止できるであろうか」。

heは文字通り人間を指すのではなく、彼の再出馬を指します。ちょうど緊急救命室内で、気道を確保するために挿管を行っている医師が、それができたときにIt’s in.とは言わないで、必ずI’m in.というのと同じような感覚です。

 

第4文 It may seem premature to ask.

この文はSVCの直後に真主語が示される構造になっていますが、その真主語部分にthose two questionsが省略されていると判断できます。この文のmayは譲歩の意味です。

「確かに、それら2つの疑問をするのは、時期尚早に思われる」。

 

第5文 But the first primary of 2024 is closer in time than the last general election, 94 weeks ago.

この文の構造はかんたんです。

「しかし2024年の最初の予備選は、94週前の、前回の総選挙よりも時間的により近いのである」。

 

第6文 And, despite his poor record in office and his unconscionable behaviour after America’s voters kicked him out, Donald Trump’s grip on the Republican Party has strengthened.

この文はdespiteからoutまでが譲歩を示す句でM、DonaldからPartyまでがS、has strengthenedがVという構造になっています。

「しかも、彼の大統領任期中の貧弱な成果と、アメリカの有権者たちが彼を大統領職から解雇したあとの彼の恥知らずの行動があったにもかかわらず、トランプ元大統領の、共和党への統制力は強まってきているのである」。

 

 

この段階で、第1文の意味は明確になったと判断しても構わないと言えるので、ここでその意味を示すと

「これから述べる複数の疑問が、アメリカや西洋諸国に残ったままになっている疑問である」

となります。

 

 

ここで第1パラグラフは終了です。このパラグラフは、読み手の関心をひきつけ、これからの議論展開の理解に必要な予備知識を読み手に与えるという導入(introduction)の役割に特化しているために、topic sentenceを含まないと判断することができます。