動名詞の話の続きです。
まずgive upの意味の確認をしておきましょう。定義はCobuildによるものです。(この辞書が良いと思った人は購入してあげてください)
If you give up something, you stop doing it or having it.
「あるもの・ことをgive upするとはそれをするのをやめるあるいはそれを持っているのをやめるということである」
となっています。
この定義を見ると,give upの目的語になる動名詞はすでにやっていたことを表すことになります。ですからその動名詞は,昨日の説明にあった(2)
過去や現在に起きている事柄を表す,という方に限定されるわけです。
そのために
He persuaded her to give up jumping.
におけるjumpingは,「すでに行っていた飛び降り自殺」は考えにくく,「すでに行っていたぴょんぴょんすること」と解釈されたわけです。
ちなみに「自殺をしようという考え」(the idea of jumping)はすでに抱いていることが可能ですからその考えを抱くことをやめるという意味合いで,
He persuaded her to give up the idea of jumping
は,「自殺を思いとどまること」を表せることになるわけです。
ちなみに,一時期話題になったThe Heroesというアメリカのテレビドラマに出てくる
クレア・ベネットという怪我をしてもすぐに傷が治ってしまうという才能を持った彼女であれば,
He persuaded her to give up jumping.
で,「彼は彼女を説得して飛び降り(の習慣)をやめさせた」という意味になり得ますね。
動名詞と不定詞はともに名詞句として同じように使えると思っている人は多いですが,
これら2つのもつニュアンスは相当に異なると思った方が良いでしょう。