チューリッヒ・トーンハレ管来日公演
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
シューマン:歌劇「ゲノフェーファ」序曲 Op. 81
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 77
(ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン)
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 Op. 64
お馴染みパーヴォ・ヤルヴィが音楽監督を務めるチューリッヒ・トーンハレ管の来日公演。3年ぶりとのことですが、ぼくは初めて聞きます。
最初のシューマンの序曲から素晴らしいアンサンブルを聞かせてくれます。
何か特徴的なサウンドというわけではないのですが、各パートパートがひと塊になって、意欲的で自発的なアンサンブルを奏でていて、音楽が生き生きとしています。
金管楽器群も実に上手で、ホルンは4本、TOPから4番まで高い技術力でビシッと聞かせてくれます。こういうところが在京オケとの差ですかね。在京オケのホルンもずい分レベルが高いですが、TOPはいいけど、あとの誰それが…とか、中々全体のレベルが揃っていない気がします。
10分にも満たない小品ですが、あとのプログラムを期待させる好演でした。
続いてジャニーヌ・ヤンセンが登場してのブラームス。もう袖から登場するだけで華があって艶やか。明るい赤色(朱色との中間くらい)が眩しいほどです。
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— ジャパン・アーツ(Japan Arts Corporation) (@japan_arts) 2026年5月17日
オケによる導入部は、ゆったりどっしりとした開始で、このテンポで通すかと思いきや、途中からテンポを上げ中庸なテンポに。
オーボエのソロが導入部から素敵で、これは第2楽章のソロも大いに期待できるなと。
満を持してのヴァイオリンソロ。もうヤンセンさんのヴァイオリンは巨匠風ですらあって、貫禄抜群。このブラームスの大作を縦横無尽に弾ききっていて圧倒的でした。
これに対峙するオケも重厚で聴きごたえ十分。まさにソリストとオケとががっぷり4つに組んだ理想的な演奏でした。
第2楽章は、冒頭、やはりオーボエのソロが素晴らしく、十分に息が注ぎ込まれているというか、常に呼吸に余裕がある感じで、美しいメロディに安心して身を任せることができました。
ヤンセンさんのヴァイオリンもその流れに乗って伸びやかに美しくメロディを奏でます。
そして活気ある終楽章はオケともども熱量の高い演奏が見事でした。いささか聞き飽きた感もあったこの作品ですが、久しぶりに隅々まで聴きごたえのある演奏に、改めて名曲であることを再認識させられました。
ソリストアンコールはJ.S,バッハの無伴奏パルティータからサラバンド。
後半はチャイ5。このコンビ早々にチャイコフスキーの交響曲全集を録音してますね。
これはもうフルマックスの演奏。ロシア臭は皆無で、キレと緻密なアンサンブルで勝負するものでした。
第2楽章のホルンソロも完璧。各楽章間で指揮の腕は降ろさず、間をおかず楽章を進めていきます。
おおいに盛り上がり、会場も湧きました。アンコールはアルヴェーンの「グスタフ2世アドルフ」から「エレジー」。全然知らない作品でしたが、美しいクールダウンに相応しい作品と演奏でした。
