オペラパレス アルヴァン・ベルク「ヴォツェック」2025-11-20 新国立劇場 | sakagumoのブログ

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新国立劇場2025-2026シーズン

音符アルバン・ベルク/歌劇「ヴォツェック」<新制作>
指 揮 大野和士
演 出 リチャード・ジョーンズ
ヴォツェック トーマス・ヨハネス・マイヤー⇒駒田敏章
鼓手長 ジョン・ダザック
アンドレス 伊藤達人
大尉 アーノルド・ベズイエン
医者 妻屋秀和
マリー ジェニファー・デイヴィス
マルグレート 郷家暁子
合 唱 新国立劇場合唱団
児童合唱 TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽 東京都交響楽団

 

新国立劇場25-26シーズン、新制作2本のうちの一本「ヴォツェック」。会場に着いてがっかりだったのが、主役のトーマス・ヨハネス・マイヤー体調不良による降板の掲示。代役はカバーの駒田氏と。きょうは3日目で、初日・2日目はマイヤーが出てたんですよね。調子はどうだったのか。いずれにしてもついていない。いきなりくじけましたが気を取り直して席へ。

 

その駒田氏、よく声は出ていましたが、やはりこの役をやるには荷が重い。ヴォツェックの持つ内面の複雑さというか狂気が感じられず、周囲の歌手陣に埋もれがち。

 

それでも第3幕は熱演していて、それなりに心打たれましたが、急な代役だったけどよく頑張った…という注釈付きの好演でしたかね。カーテンコールでもそんな感じの評価で、盛んな拍手とブラボーもありましたが、中にはブーイングもありました。

 

他の歌手陣は万全の出来。中でもマリー役のジェニファー・デイヴィスは、ちょっと見た目健康的すぎる感もありましたが、よく通る声で見ごたえ、聴きごたえがありました。

 

大野さんの指揮で、ピットには珍しく都響が入りました。コンマスは矢部さん、水谷さんのWコンマスでの力の入りようが感じられ、オケも熱演してましたが、どうにも芯をとらえたような感がなく、求心力ももう一つ。

 

ことし3月のヴァイグレ指揮の読響、コンサート形式での公演は、広いステージ上でそれは見事な演奏を繰り広げていましたが、狭いピットの中でなかなか調子が上がらなかったか(それでも3日目だけど)。主役降板の影響があったか。

 

それでもオーソドックスな演出で、作品の持つ力で、それなりに見ごたえはありましたが、もっともっと行けたはずと感じたのも事実。まぁ、きょうはしょうがなかったですかね。