クリスティ/レザール・フロリサンの「ヨハネ受難曲」2023-11-26 東京オペラシティ | sakagumoのブログ

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会社員です。クラシック音楽と読書と温泉が好きです。あと万年百十の王だけど、楽しくゴルフ⛳をすることが好きです。
最近は筆不精がたたって、読む専門です。

ウィリアム・クリスティ指揮
バスティアン・ライモンディ(テノール/エヴァンゲリスト)
アレックス・ローゼン(バス/イエス)
レイチェル・レドモンド(ソプラノ)
ヘレン・チャールストン(アルト)
モーリッツ・カレンベルク(テノール)
マチュー・ワレンジク(バス)
レザール・フロリサン(管弦楽&合唱)
音符J.S.バッハ:ヨハネ受難曲 BWV245

 

古楽器奏法によるバロック音楽の大家、ウィリアム・クリスティ/レザール・フロリサンによるバッハのヨハネ。ぼくは実演で聴くのは初めてです。

 

クリスティは1943年生まれと言うから、御年80歳。

しかしながら、登場からして、背筋はピンっとして颯爽とした足取り。上背もあってスリムスーツでビシッと決めてました。最近の年配の方は元気な人は本当に元気。

 

あまりバッハの宗教曲に馴染んでいない中、字幕スーパー付きはうれしい配慮。

 

演奏はもう、隅々まで神経の行き届いた完全なるもので、どっぷりとイエスの受難劇の世界に入り込むことができました。

 

不穏な動きでたちまち受難の世界に連れて行ってくれた冒頭合唱から、がっちりと心をつかまれました。

 

エヴァンゲリストのライモンディ以外は、合唱(総勢18名)席からソロの出番のときだけ前に出てきて、あとは合唱に加わるスタイル。

 

18名の合唱ながら、一人ひとりが一騎当千で迫力は十分。素晴らしいアンサンブルで見事にハモってました。

 

クリスティの指揮ぶりは全く年齢を感じさせない的確な動きで、ビシバシ指示を出していました。

 

楽器群も通奏低音から木管楽器群まで、すべての音が明確に聞き取ることができ、絶妙なバランス。そして大きな拍手を得てましたが、オルガンを弾いていた女性のいかにも音楽に入り込んでいるような弾きぶりが見事でした。

 

それでも、受難曲という大作ながら、まったく意気込み過ぎということもなく、ごく日常公演の1回というさりげなさ。やはり本場、キリスト教圏の一流の団体の芸術は素晴らしいし、一朝一夕のものではないなと、改めて感じ入ってしまいました。