樫本大進&キリル・ゲルシュタイン 2018.7.2 東京オペラシティ | sakagumoのブログ

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会社員です。クラシック音楽と読書と温泉が好きです。あと万年百十の王だけど、楽しくゴルフ⛳をすることが好きです。
最近は筆不精がたたって、読む専門です。

ベルリン・フィル第一コンサートマスターの樫本大進とキリル・ゲルシュタインのリサイタル。会場は6~7割女性で埋め尽くされ、来春早々のプラハ響(樫本ソロのブラ協)の会場販売に長蛇の列。

 

♪ベートーヴェン/ヴァイオリン・ソナタ第2番

♪ブラームス/ヴァイオリン・ソナタ第3番

♪モーツァルト/ヴァイオリン・ソナタ変ロ長調K.378

♪リヒャルト・シュトラウス/ヴァイオリン・ソナタ

 

ドイツ、オーストリア系でまとめたプログラム。

 

樫本大進のヴァイオリンは、楽器(グァルネリ)のせいもあるのか、派手さはなく引き締まった響きで、職人的な演奏をする。

 

楽器を深く響かせる感じではなく、歌い方も意外とあっさりとしていて、日本的な醤油味。

 

最初のベトは、初期の3つのソナタの2番目のもので、6:4でピアノの比率が高い。ギルシュタインのピアノが表情豊かで実に上手い。ヴァイオリンはそれほど見せ場無し。

 

ブラームスは樫本のあっさりとした味わいが上手くマッチせず、美しい音色で、抜群に上手いのだけど感銘は薄い。

 

良かったのは後半。

 

モーツァルトは実にチャーミングなギルシュタインのピアノに上手く乗って、オペラの場面場面を聴いているかのような楽しい演奏。

 

ここでは樫本の薄めの味付けがちょうど良い。

 

渾身の演奏だったのが最後のR.シュトラウス。作品が濃厚なため、樫本のさらりとした演奏が上手くブレンドされ、弾き過ぎない、歌い過ぎない、センスの良い演奏で、音色も抜群にきれい。技巧的にも完璧で、ギルシュタインの味わい深いピアノと合わせ、見事でした。

 

アンコールは、シューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化芝居」からの間奏曲。そしてブラームスの「F.A.Eソナタ」からのスケルツォ。ブラームスはやはり違和感を禁じえなかったけど、アンコールでの熱さがそれを補い、聞き応えがありました。