家族は掛け替えのあるものだった -0-私が思い出すことの出来る最も古い記憶の時点で私の父親は私の本当の父親ではなかった。母親が父親と別れてから何度か会ったことがある。覚えているようで思い出せない。けれど、優しく、少し困ったような笑顔を向けてくるこの人は、きっと私の本当の父親なのだろうとは思った。何故、母親はこの人と別れたのだろう。そんな疑問は誰にも打ち明けられずにいる。父親がもう一度替わった頃に、気にする事はやめた。どうでもいい。きっと、この母親だからなのだろう。父親なんて要らない。母親も。私が産まれた理由も考えたくはなかった。これからするのは、私の母親と私の周りに起こった本当のお話。