業務負荷が低いため、予定にはなかったが、有給をとり平日休みとなった。
いつも通り5時前に起きて、各種ルーティンをこなし、妻子を送り出した。本来なら明日の予約だった病院へ。6月に罹患した肺炎の後遺症の気管支炎がまだ治らず、咳が止まらんのだ。検査を受けて、また二週間分の薬をもらう。検査結果としては私の肺年齢は28歳とのこと。まぁ元アスリートだからな。驚きはしないが、まぁまぁ嬉しい。下半身も同レベルかと言われると、多分同年代よりは元気と思うが、20代レベルかと言うと自信なし…。
少々家事をこなし、雑誌で見た70年代創業のシブい喫茶店へ。…店の前についてビックリ。渋すぎやろ!古いビルの2階にあるその店。まず2階へ上がる階段が見つかりにくい。その狭い階段も薄暗く、新旧問わずの絵画展、美術展のポスターが所狭しとベタベタ貼られている。ようやく辿り着いた入り口のドア。木でできており、中の様子は伺えない。入りづらすぎる…!
意を決して中に入ると、薄暗い店内にカウンター、奥に何個かのテーブルのある細長い店だった。カウンターには、いかにも魔女、なイメージの、長髪に白髪のソバージュというおばちゃん。いらっしゃいませ、の一言もない。…気まずい!一人なんですけど、良いですか?常連っぽい、OL風のお姉さんの視線を感じつつ聞くと、奥のテーブルに案内された。
壁も椅子も全て木でできており、階段同様、そこかしこに美術展のポスターが貼られている。それを、ところどころ下がった裸電球が薄暗く照らす。スピーカーからは煩くない程度に静かにジャズが流れる。…これはなかなかない雰囲気だ。
やがて、使い古されたメニューと水をもってきてくれた。私はチーズケーキとアイスコーヒーのセットを頼み、しばらく文庫本を読んだ(官能小説ではない!脳科学者の書いたプルーフ・オブ・ヘブンという本だ)。
1時間ほどそこにいた。時間の止まった様な、愛想も飾り気もない空間がとても心地良かった。また来たいな、また来よう、と思った。
やがて若いにーちゃん二人組が現れた。席につくや、ケータイのカメラを起動させ、パシャパシャと写真を撮り始めた。私は妻にこの喫茶店の素晴らしさを伝えつつも、そいつらのことを「映え(バエ)ばっか気にして生きてるハエどもが!」とLINEで送った。…言葉遊びに終始しない、私の心情も表したなかなか秀逸なコメントかなと自負したが、妻からは「おやじギャグだなww」と一蹴された。
その喫茶店を辞した後、川沿いのパブに来た。ランチメニューを出しているその店では、昼飲みもできる。私はビール2杯とソーセージ、オリーブ、うずらの卵の燻製を食った。台風が近づいている当地では、目の前の柳が風に揺れており、その生ぬるい風がテラス席の私にはとても心地よい。
さて、妻には何か晩飯を作っとけと言われている。米の予約はしてきた。あとは野菜をたくさんぶち込んだ味噌汁と、豚キムチでも作っておけば良いだろう。私は料理のレパートリーが少ない。ぼちぼち帰らんと。おっと雨が降り出した!
良き休日である。禁欲78日目!